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要員計画

要員計画の基本的な考え方については、目標設定の「人的資源に関する目標」の部分で既に記載している。要員計画では、具体的にどの活動に対してどれだけの人的資源を投入するかを明確に計画することが求められる。

目次

要員計画の構成

基本方針と区分

巻末の「第11表」がその「ひな型」となる。「区分」の欄には、職制に基づく区分を記入する。

まず、役員について記載する。ただし、常勤役員のみで構わない。

その次に、総務部や営業部といった大区分を記入し、その中の小区分、たとえば総務部であれば庶務や経理などを具体的に示す。

それぞれの区分について、性別(男・女)、雇用形態(臨時・パートなど)に分け、期首、上半期末、期末の人員数を記載する形となる。

期首の人員は、厳密な意味での期首時点である必要はない。計画を立てる時点での人員数をそのまま記入して構わない。ただし、定年退職者など、既に確定している事実がある場合は、それを反映する程度の修正を加えるのが適切である。

重要なのは「期末」の人員である。この計画表を通じて、期末時点での我が社の人的資源の配分をどのようにするか、社長の明確な決意を示すことが求められる。

人員配置の工夫と決意

この際に重要なのは、前述したように、現在の収益を生み出す営業部門と、将来の収益を創出するための開発部門を最優先することである。一方で、必要以上に膨張した管理部門については、思い切った縮小を実行することが求められる。

このようにして社長の決意を明確に示すことで、過去に悩まされていた「増員要求」などはほとんどなくなると言ってよい。これこそ、計画を策定することの大きな効用である。

とはいえ、減員を実行するとなると、生身の人間が対象であるため、物のやり取りのようには簡単に進まない。女子社員の場合は比較的柔軟に対応できることもあるが、男子社員となると、退職や会社が危機的状況に陥っている場合でもない限り、減員は非常に困難である。

難しいからといって、そのまま放置していては、人的資源の効率的な配分など実現できるはずがない。この問題を解決するためには、「時間」の力を活用することが有効だ。つまり、その期に目標を達成できなければ、その目標を翌期に持ち越し、それでも達成できなければさらに次の期へと持ち越す。

効果的な目標設定と実行

こうして、達成できるまで根気よく粘り続けるのだ。私の経験では、概ね3年ほどの期間があれば、大抵の問題は解決するものだ。

もし管理部門で大幅な減員が必要であり、その結果として部門の業務に支障が出るのではないかと懸念される場合には、M社の事例を参考にするのが有効だと考える。

M社の総務部次長は、次長に就任した際、総務部の人員が明らかに過剰であると感じた。そこで、3年後に人員を半減させるという目標を設定し、それを部内で宣言するとともに、年度ごとの減員目標を明確に示した。

そのうえで、次長は現有の人員で業務が遂行できるよう、不要な仕事を削減したり、業務の進め方に工夫を加えるよう指導を行った。また、もしその人員では対応が難しい場合には、遠慮なく相談するよう部下に伝え、一緒に解決策を考える姿勢を示したのである。

要員計画の効用

その結果、3年後には見事に目標を達成した。その間、部下から「人手が足りずに仕事ができない」といった不満の声が上がることは一度もなかった。この総務部次長の事例が示すように、こうした目標の達成は、指導者としての決意にかかっている。この決意こそが、期末目標を実現する原動力なのである。

次に、上半期末の目標について触れるが、実のところこれは必須ではない。ただし、「1年間」という期間が長すぎると感じる場合には、中間目標として上半期末の目標を設定する程度で十分である。

要員計画は非常に重要

私は要員計画を非常に重視している。それは、要員計画が社長の事業経営に対する基本的な姿勢を如実に反映しており、革新のための具体的な提案を行う際に大いに役立つからだ。

それだけでなく、会社にとって最も重要な人的資源を効果的に活用する基盤を築くものでもある。

革新についても、目標設定の部分で記載している。

まとめ

要員計画は単なる人員配置の計画ではなく、社長の意思や事業目標の具現化です。人的資源の最適化を通じて、会社全体の効率と成長を支える重要な要素として、長期的な視点と実行力が求められます。

  1. 基本方針と区分
  • 計画表には職制ごとの区分(役員、総務、営業、開発など)を記載し、各部門の役割や優先度に応じた人員数を決定します。
  • 各部門は、営業や開発などの「現在の収益」や「将来の収益」を生む部門を優先し、管理部門はできる限り効率化します。
  1. 人員配置の工夫と決意
  • 各部門ごとに「期首」「上半期末」「期末」の人員計画を定め、期末には達成したい目標を明示します。
  • 増員や減員についても、社長が明確な方針を持って決定することで、無駄な増員要求や効率の悪い配分が防げます。
  • 減員が難しい場合も、年度ごとに少しずつ目標を持ち越しながら、効率的な人員配置に向けて粘り強く取り組むことが重要です。
  1. 効果的な目標設定と実行
  • 必要に応じて中間目標として「上半期末」の目標を設定し、進捗を確認します。最終的な目標は「期末」であり、これが会社の人的資源配置の具体的なビジョンとなります。
  • 必要に応じて、業務プロセスの見直しや役割再設定を通じて効率化を図り、3年程度のスパンで達成を目指します。
  1. 要員計画の効用
  • 明確な要員計画は、無駄な増員要求を抑え、人的資源の活用における計画性と効率性を社内に浸透させます。また、革新に必要な基盤づくりとしても機能し、社長の経営方針の意図が会社全体に伝わります。
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