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行わぬ言葉に、香りはない


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■引用原文(日本語訳)

第四章 花 第五十一偈

うるわしく、あでやかに咲く花でも、香りの無いものがあるように、
善く説かれたことばでも、それを実行しない人には実りがない。
― 『ダンマパダ』第4章 第51偈


■逐語訳(一文ずつ)

  1. うるわしく、あでやかに咲く花でも、香りの無いものがあるように、
     → 見た目は美しくても、香りのない花があるように、
  2. 善く説かれたことばでも、それを実行しない人には実りがない。
     → どんなに素晴らしい教えの言葉であっても、それを実行しない人には意味がない。

■用語解説

  • うるわしく、あでやかに咲く花:表面的に美しい、見栄えのよいものの象徴。ここでは「よくできた言葉」「知識や話術」の比喩。
  • 香り:内面からにじみ出る真の価値、つまり実践・行動・人格から生じる「徳」。
  • 善く説かれたことば:仏の教え・道理にかなった美しい言葉・高尚な理論。
  • 実行しない人:口では正しいことを言いながらも、行動が伴っていない者。
  • 実りがない:結果・影響力・価値がないこと。精神的成熟も得られず、他者にも影響を与えない。

■全体の現代語訳(まとめ)

見た目の美しい花に香りがないように、どれほど素晴らしい言葉であっても、それを実践しない人には実質的な意味も徳もない。言葉の価値は、行いによって裏づけられてこそ真に実るのである。


■解釈と現代的意義

この偈は、**知識・言葉・思想の「実行力」と「真実性」**を問う教えです。
話術に優れ、高尚な理念を語っても、それを日々の生き方に生かせなければ空虚であり、かえって信頼を損ねることすらあります。

現代では、SNSやプレゼン、言葉だけが先行しがちですが、仏陀は「行いが伴わなければ香り(徳)は生まれない」と戒めています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーの言動一致ビジョンや理念を語るだけでなく、自らがそれを実践しているかが、周囲からの信頼を左右する。
信用と実績美辞麗句ではなく、実行に裏打ちされた成果こそが、取引先や顧客の信頼を得る要素となる。
評価と人間性評価されるのは「何を語ったか」ではなく、「どう動いたか」「どのように振る舞ったか」である。

■心得まとめ

「香りは行動に宿る。言葉だけでは徳は薫らない」

仏陀は、言葉に頼るだけでは真の力を持たないと説いています。
実践こそが、人格を磨き、社会に影響を与える香りとなる。美しい言葉と行動を一致させる者にこそ、真の「実り」があるのです。

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