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智慧をもって、ひとり歩め


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第55偈)

つねにこだわりが無く、
智をそなえ、
疑惑を去り、
ひとり歩み、遠くに行く人、

かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。


🔍 逐語訳(意訳)

  • 常に執着することなく、
  • 深い智慧を備え、
  • 迷いの疑いをすべて捨て、
  • 一人静かに歩み続け、
  • 真理の遥かな彼方へと到達する――
    そのような人こそ、真の〈バラモン〉である。

🧘‍♂️ 用語解説

用語解説
こだわりが無い執着(upādāna)を断った状態。
智(ち)真理(ダンマ)を見抜く智慧。単なる知識ではなく直観的理解。
疑惑(ぎわく)仏教で言う「五蓋(ごがい)」の一つ。修行を妨げる迷い。
ひとり歩む(ekacārī)独りで真理の道を歩む者。比喩的には「真の修行者」。
遠くに行く輪廻(サンサーラ)を越えて、涅槃という「遥かな到達点」に至ること。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

執着することなく、
智慧に満ち、
迷いを断ち切り、
孤独を恐れずに一人で歩み続ける者。
やがてこの人は、誰も届かぬ「真理の彼方」へと到達する。
このような人こそ、真の〈バラモン〉である。


🧭 解釈と現代的意義

この偈が伝えるのは、「孤独を受け入れた成熟した精神の姿」です。
本当に大切なことを見抜いた人は、群れに迎合せず、流行や評価に依らず、自らの足で歩みます。たとえその道が孤独であっても、「智慧と確信」がそれを支えます。

真理の道とは、群れの道ではなく、自分の道である。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
リーダーシップ周囲に迎合せず、信念を持って進む力。誰も歩んでいない「本質の道」を歩む。
自己信頼と孤独耐性他人に依存せず、孤独の中でも価値創出に集中できる精神性。
長期ビジョン目先の結果ではなく、「遠く」にある理想や使命に向かって歩む姿勢。
組織内での独立性同調圧力や惰性に流されず、軸を持った判断を貫く人材像。

💡 感興のことば:心得まとめ

「ひとり歩む者は、もっとも遠くに至る」

執着を捨て、
智慧をたずさえ、
疑いを脱して、
誰の背中も追わず、
自らの歩幅で進む。

その静かな足音こそが、
真理へと届く唯一の道なのだ。


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