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仁ある場所に住まうこと、それが知の証

環境は人をつくる。仁徳に満ちた地に身を置こう

孔子は、知恵ある者ほど、どこに身を置くかを慎重に選ぶべきだと説いた。
ただ言葉や思想で仁を語るだけではなく、日常をともにする人々の徳を重んじ、仁のあふれる場所で暮らすべきだという。
もし仁徳に満ちた環境があるにもかかわらず、それを選ばないようであれば、その人が知者だとは言えない――
善き人に囲まれ、善き場所に身を置くことでこそ、自らも仁を実践しやすくなる。
環境選びは、知者の資質を映す鏡なのである。


原文とふりがな付き引用

子(し)曰(いわ)く、里(さと)は仁(じん)なるを美(び)と為(な)す。
択(えら)んで仁(じん)に処(お)らずんば、焉(いず)くんぞ知(ち)なるを得(え)ん。

仁徳あふれる地に住むことは、美徳ある人間の基本。
それを選ばない者が、どうして知者と呼べようか。


注釈

  • 里(さと)…暮らしの場、コミュニティ。物理的な住居地であると同時に、精神的な居場所も指す。
  • 仁(じん)…思いやり・人間愛・道徳的な善。孔子の教えの中核。
  • 美(び)と為す…美しいものと考える、価値あるものとする。
  • 択んで処らず…選ぶにあたって、それを住処としない。意識的に避ける、もしくは選ぼうとしない態度。
  • 焉んぞ得ん…どうして~できようか。反語表現で、非難を含む。
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