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変わるのは身体、変わらぬのは魂


目次

■原文(日本語訳)

第2章 第13節
クリシュナは言った。
「主体(個我*)はこの身体において、少年期、青年期、老年期を経る。そしてまた、他の身体を得る。賢者はここにおいて迷うことはない。」

*個我(じこが):ここでは「アートマン(真の自己・魂)」を意味する。


■逐語訳

  • 主体(デーヒ):肉体の中に宿る存在=魂・アートマン。
  • この身体において(アスミン・デーヘ):現在の身体において。
  • 少年期、青年期、老年期を経る(カウマーラム・ヤウヴァナム・ジャラー):肉体は成長し、変化していく。
  • そしてまた他の身体を得る(ターター・デーハーントラ・プラープティヒ):死後に別の身体に生まれ変わる。転生。
  • 賢者は迷わない(ディーラハ・タトラ・ナ・ムヒヤティ):智慧ある者は、変化の現象に惑わされず、本質を見抜いている。

■用語解説

  • デーヒ(देही):肉体の中にある「主体」「魂」。永遠不滅のアートマンを指す。
  • デーハ(身体):肉体・現象界の存在。変化し、死ぬもの。
  • デーハーントラ・プラープティ:身体の変化または転生。魂は新たな身体に宿るという概念。
  • ディーラ(賢者):冷静沈着で、真理を見通す智慧を持った人。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは語る――魂はこの肉体の中で、子どもから若者、そして老人へと姿を変えていくように、死ののちには新しい身体を得て再び生きる。この変化の連続の中にあっても、賢者は「変わらぬもの(魂)」を知っているので、動揺することはない


■解釈と現代的意義

この節は、「身体と魂の違い」を明確に示しています。
私たちは日々、年齢や健康、容姿の変化に一喜一憂しますが、それは“変わるもの”に執着しているから。
本当の自己(アートマン)は、身体の変化に依存しない“変わらぬ存在”です。
この視点を持つことで、老いや死を恐れることなく、心の安定と平常心を保てるようになるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
変化への適応力環境・人員・役職が変わっても、自分の本質(価値観・使命)を見失わなければ、動揺せずに対応できる。
年齢や立場の超越若さや老い、役職の上下にとらわれず、常に「本質的な自分」から行動することが、信頼と成果につながる。
持続的成長の視点身体や状況が変わっても、学び続ける限り「魂の成長」は続くという自己認識が、長期的なキャリア形成を支える。
ブランディングの本質見た目やトレンドの変化よりも、ブランドの「変わらぬ核心」を守ることが信頼を築く。

■心得まとめ

「変わるものに惑わされず、変わらぬものを見つめよ」
肉体や環境、状況は刻々と変わる――それは自然なこと。
しかし、賢者はその変化に動揺せず、変わらぬ本質(魂・理念・信念)を見つめ続ける。
この視点が、揺るがぬ判断と継続する力を育むのです。


次の第14節では、「感覚の変化(快・不快)」についての深い教えが展開されます。

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