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富と精神の均衡

人の世が栄え、人口が増すにつれ、金銭に対する公平なる見解が生まれたことは、時代の進歩とも言える。
しかしながら、人情の本質には依然として弱点があり、利欲の念が先立つと、富を義の上に置くという過ちに陥りやすい。
その積み重ねが、金銭を絶対とする風潮を生み、道徳や精神といった本質を軽視する風を呼び込む。
金は生活を支える力ではあるが、人を縛る鎖ともなり得る。
物質に心を奪われれば、精神は蝕まれ、己を見失うこととなる。
ゆえにこそ、富の前にまず義を据え、精神を拠り所とする姿勢を保たねばならぬ。

○人が多くなったので、金銭に対する公平なる見解をなすようになった。しかし前述のごとく人情の弱点として、利慾の念より、ややもすれば富を先にして道義を後にする弊を生じ、過重の結果、金銭万能のごとく考えて、大切なる精神上の問題を忘れて、物質の奴隷となりやすいものである

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