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目覚めて歩む者は、群れを超えてゆく


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■引用原文(日本語訳)

怠りなまけている人々のなかで、ひとりつとめ励み、眠っている人々のなかで、ひとりよく目醒めている思慮ある人は、疾く走る馬が、足のろの馬を抜いて駆けるようなものである。
(『ダンマパダ』第2章「はげみ」第29偈)


■逐語訳

  • 怠惰に沈む人々の中で、
  • たった一人、精進を続け、
  • 無自覚に生きる人々の中で、
  • たった一人、目覚めている思慮深い人は、
  • 疾走する駿馬が、のろのろ歩く馬を追い越すように、
  • 人々の中で際立って進んでいく。

■用語解説

  • 怠りなまけている人々(パマータナン):努力を怠り、日々を無意識に過ごす者たち。
  • つとめ励む(アッパマッタ):注意深く意識的に、努力を継続する姿勢。
  • 眠っている人々(スッターナン):無知・煩悩・惰性に囚われたまま、覚醒せずに生きる人々。
  • よく目醒めている(ブッディマン):目覚めた者。気づきと洞察のある生き方をする人。
  • 思慮ある人(パンディタ):賢者・自律と観察力を備えた存在。
  • 疾く走る馬(アシャンナクサ):優れた者、努力によって他者より早く目標に到達する者の象徴。

■全体の現代語訳(まとめ)

世の中の多くの人が怠惰と無自覚に過ごす中で、たった一人でも目覚めて努力し続ける賢者は、他の人々を遥かに凌ぎ、確かな前進を遂げる。
その姿は、のろのろと歩む馬の群れを置き去りにして駆け抜ける俊足の名馬のようである。


■解釈と現代的意義

この偈は、集団の流れに流されず、独立して努力を続けることの価値を鮮やかに描き出しています。
「みんながやっていない」「周囲が怠けている」ことを理由にして自らも怠けるのではなく、むしろその中でひとり覚醒し、努力を続ける者こそが、真に抜きん出た存在になる――この教えは、現代の競争社会においても非常に力強い指針となります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
主体的キャリア形成周囲に流されず、独自に努力・学習を続ける人材が、大きく成長し評価を得る。
チーム内での影響力惰性的な空気の中でも、1人の高意識が周囲を鼓舞し、文化を変えていくことがある。
スタートアップ精神大企業の惰性に対して、意識高く動く小さな企業・個人が市場をリードすることも。
差別化戦略一般的なやり方に流されず、独自の努力・工夫を続けることが、真の競争優位につながる。

■心得まとめ

「眠れる群れの中で、目覚めよ――駿馬のごとく駆け抜けよ」

多くの人が怠けていても、あなたは努力を続ける。
目覚めた心と行動力があれば、群れに流されず、自らの道を駆け抜けることができる。
賢者は孤独ではない。その孤独が、力を生み、道を開く。


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