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力を蓄え、時を待つ者が、最後に高く飛ぶ

長く地上に伏して力を蓄えていた鳥は、いざ飛び立つと、他のどの鳥よりも高く舞い上がる。
他の花より早く咲いた花は、美しく咲き誇る一方で、誰よりも早く散ってしまう。

このような自然の道理を理解していれば、人生の中で一時的に勢いを失い、足踏みしているように感じるときでも、
「今は力を蓄える時なのだ」と考えることができ、焦りや不安に飲み込まれずに済む。

目の前の小さな成功に心を奪われて、大きな目的を忘れてしまうようなこともなくなる。

「伏(ふ)すこと久(ひさ)しき者(もの)は、飛(と)ぶこと必(かなら)ず高(たか)く、開(ひら)くこと先(さき)なる者は、謝(しぼ)すること独(ひと)り早(はや)し。此(こ)れを知(し)らば、以(もっ)て蹭蹬(そうとう)の憂(うれ)いを免(まぬが)るべく、以て躁急(そうきゅう)の念(ねん)を消(け)すべし。」

成功とは、一時のスピードではなく、
長く深く力を養い、最も必要なときに発揮するもの。
焦らず、あわてず、時の来るのを静かに待つことが、
大きな成し遂げへとつながっていく。


※注:

  • 「伏すこと久しき者」…長く力を蓄える者。準備と忍耐の期間を大切にする人。
  • 「謝する」…花が散る、衰えること。
  • 「蹭蹬(そうとう)」…うまくいかず、よろめくこと。勢いを失うこと。
  • 「躁急(そうきゅう)」…焦り、せっかちな心。
  • ※『老子』の「大器晩成」思想や、『論語』の「小を忍ばざれば、則ち大謀を乱る」にも通じる。
  • ※松下幸之助の「時の来るのを待つ」姿勢や、『孫子』の「勢と節」による戦略的な間合いとも重なる。
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