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📜引用原文(日本語訳)
秋に投げすてられた瓢簞(ひょうたん)のような、
鳩の色のようなこの白い骨を見ては、
なんの快さがあろうか?
(ダンマパダ 第十一章「老いること」第149節)
🔍逐語訳
- 秋に投げすてられた瓢簞のような、
→ 収穫が終わり、捨てられた瓢簞のように、役目を終えた殻のたとえ。 - 鳩の色のようなこの白い骨を見ては、
→ 鳩の羽のような青白い灰色がかった骨=死後に残された人の身体の姿。 - なんの快さがあろうか?
→ それを見て、一体何の喜びや魅力を感じられようか?
🧾用語解説
- 瓢簞(ひょうたん):かつては中身(生命)があったが、役割を終えて空虚になった存在。
- 鳩の色のような白い骨:死後に残された無機質な肉体の象徴。生の終焉の静寂。
- 快さ:肉体の美しさや感覚的喜びを追い求めることに対する問いかけ。
💬全体の現代語訳(まとめ)
人の身体もまた、やがて命を失い、
秋の野に捨てられた瓢簞のように空しくなり、
その白く乾いた骨を見ても、もはや美しさや快楽はどこにもない。
仏陀は、その無常なる姿に真理を見よと語りかけている。
🧠解釈と現代的意義
この詩句は、死後の身体の姿を直視することで、今生の執着を断ち切るための強烈な警鐘です。
私たちは、容姿・感覚・肉体的快楽に過剰な価値を見出しがちですが、
その終点が骨となって朽ち果てる姿であることを思えば、
もっと根本的な「生きる意義」や「魂の成長」に意識を向けるべきだと諭されます。
仏教は、死を恐れるのではなく、死の姿から生の真理を学べと教えます。
💼ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
表層的価値からの脱却 | 一時の流行や見た目の派手さに惑わされず、本質的・持続的な価値を見極める。 |
資産や成果の限界 | 資産・評価・肩書などの「外部的装飾」もやがては失われるものと認識し、過剰に執着しない。 |
無常を前提にする思考 | 商品寿命・顧客ロイヤルティ・組織の形態も常に変わりゆく。終わりを見据えた持続可能な設計が必要。 |
ビジョンと志の再確認 | 最終的に残るのは「形」ではなく「信念」「志」「価値観」。そこにこそ重きを置くべき。 |
📝心得まとめ
「骨となる日を想え、今日を虚飾で覆うな」
死して残るのは、鳩色の白き骨。
その姿に、誰が美しさを見出せようか?
ゆえに、本当に価値あることは何かを問い続け、
生きている今こそ、見せかけではない中身を磨くべきだ。
死の静けさは、我々に「生き方を見よ」と語っている。
だからこそ、真理に基づいた人生・仕事・組織づくりが、
永く残る光となるのである。
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