MENU

朽ちるものを超えて、徳は永遠に輝く


目次

📜引用原文(日本語訳)

いとも麗わしき国王の車も朽ちてしまう。
身体もまた老いに近づく。
しかし善い立派な人々の徳は老いることがない。
善い立派な人々は互いにことわり(法)を説き聞かせる。
(ダンマパダ 第十一章「老いること」第151節)


🔍逐語訳

  • いとも麗わしき国王の車も朽ちてしまう。
     → どれほど華麗で権威ある王の車であっても、やがて朽ち果てる。
  • 身体もまた老いに近づく。
     → 人間の肉体もまた、老化という避けがたい現実に向かって進んでいく。
  • しかし善い立派な人々の徳は老いることがない。
     → だが、善き人・聖なる人の**徳(善行・人格・智慧)**は、時間に影響されず、衰えることがない。
  • 善い立派な人々は互いにことわり(法)を説き聞かせる。
     → 善き人は互いに真理(ダルマ)を語り合い、正しい道を共有し、高め合う。

🧾用語解説

  • 国王の車:権力・富・名声・華美なものの象徴。栄華の象徴でもある。
  • 老いに近づく:生まれた瞬間からすでに老いと死へと進んでいるという仏教的無常観。
  • 徳(puñña / guṇa):善行・人格・清らかな行いの積み重ね。心の財産。
  • ことわり(法、ダルマ):真理、自然の理、正しい生き方。仏の教えでもある。

💬全体の現代語訳(まとめ)

どんなに美しく、権威に満ちた王の車であっても、やがては朽ちていく。
人間の身体も、時とともに老い、滅びへと向かっていく。
だが、善き人々の徳や人格の光は、決して老いず、時に消されることもない。

そのような善き人々は、互いに**真理(ことわり)**を語り合い、
導き合いながら、永遠に続く価値を築いていくのである。


🧠解釈と現代的意義

この節は、仏教の根本思想である**「無常」と「徳の不滅性」**を象徴しています。
外面的なもの(車、肉体、富)は必ず朽ちます。
しかし、内面的なもの――徳、人格、真理の理解と実践は、
時間や老いに影響されず、むしろ蓄積されて輝きを増すものです。

これは、何に価値を置いて生きるべきかを鋭く問う教えです。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
外的成功 vs 内的価値株価・SNSの反応・トレンドなどの「一時的な成功」より、信頼・誠実・倫理という「永続的価値」に投資すべき。
組織文化の成熟組織の構造や設備は老朽化するが、良き文化や理念、チームの信頼は時間とともに深まる。
リーダーシップの本質リーダーの役職や権限は変わっても、その「徳」(信頼・人望・判断力)は長く残り、次世代に影響を与える。
学び合う文化優れた人々は孤立せず、互いに学び合い、高め合う「法を説く関係性」に価値を見出す。

📝心得まとめ

「朽ちるものに依らず、徳と真理を育てよ」

車も身体も、やがては滅びる。
しかし、徳ある行い、誠実な姿勢、真理への理解は、
決して老いることがない。

真の価値は、見えないところに静かに積み上がる
だからこそ、目先の成功に振り回されず、
語り合い、学び合い、徳をともに磨く道を歩むことが、
人生と仕事を深く豊かにする鍵となる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次