—— 道を語らず、小才に溺れる者たちへの警鐘
孔子は、無為に群れて過ごす者たちに、深い嘆きをもって語った。
「大勢が一日中集まっていながら、義(ただしさ)について一度も語らず、
ただ目先の小賢しい知恵を披露しあっている。――これは本当に困ったことだ」と。
人と集うならば、意味のある対話をせよ。価値ある問いを立てよ。
そうでなければ、その時間はただ消えてゆき、学びも徳も残らない。
表面的な利口さや自己顕示に終始することなく、義にかなう考えと行動を共に語り合うことが大切なのだ。
人生の時間は限られている。何に意識を向け、どう過ごすかで、その価値が決まる。
原文とふりがな
「子(し)曰(い)わく、羣居(ぐんきょ)すること終日(しゅうじつ)、言(げん)、義(ぎ)に及(およ)ばず、
好(この)みて小慧(しょうけい)を行(おこな)う。難(かた)いかな」
注釈
- 「羣居」:大勢で集まっていること。仲間と群れて時間を過ごすこと。
- 「義に及ばず」:正義・道義・人の道といった根本的なことに話が及ばない。
- 「小慧(しょうけい)」:こざかしい知恵。浅はかで利己的な利口さ、表面的な機転。
- 「難いかな」:「困ったことだ」「どうしようもない」といった孔子の嘆息。
パーマリンク候補(英語スラッグ)
value-your-time
(時間を大切に)talk-of-righteousness
(義を語れ)avoid-trivial-smartness
(小才に溺れるな)
この心得は、現代においても「会議・雑談・SNSの時間をどう使うか」という視点で極めて示唆的です。
中身のある対話・価値のある問いかけが、学びと人間性の深まりを生む鍵となります。
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