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慢心を捨て、揺らがぬ自己に還れ

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引用原文(日本語訳)

慢心と迷妄がなく、執着の害を克服し、常に自己に関することに専念し、
欲望から離れ、苦楽という相対から解放され、迷わない人々は、かの不滅の境地に達する。
(『バガヴァッド・ギーター』第15章 第5節)

逐語訳

慢心(アハンカーラ)と妄想(モーハ)を捨て去り、
執着(スパルシャ)による束縛を超え、
常に内なる自己(アートマン)に集中し、
欲望を断ち、喜びと悲しみの両極から自由になった者は、
二度と迷うことなく、不滅の境地(パラーム・ガティ)に至る。


用語解説

用語意味
慢心(アハンカーラ)自己中心的な思い込み。「私がしている」という傲慢な自己意識。
迷妄(モーハ)現実を見失わせる無知や錯覚。物事の本質を見誤る心の状態。
執着の害(スパルシャ)外界の対象や結果への執着によって苦悩を生むこと。
自己に関すること(アートマン・ニシュタ)内なる自己、霊的本質に関することに常に意識を向けること。
苦楽の相対喜びと苦しみという両極端に振り回されること。
不滅の境地(アムリタ・パダ)解脱。輪廻を超えた永遠の平安の境地。

全体現代語訳(まとめ)

自己を誇る慢心と、真理を見誤る迷妄を捨て、
執着の力を克服して、常に内なる自己を見つめ続ける人は、
欲望や感情に流されることなく、喜びにも悲しみにも動じない。
そうした人だけが、再び迷うことなく永遠の境地に至ることができる。


解釈と現代的意義

この節は、「自己の浄化と集中」が最終的な境地に至る条件であると説いています。
その核心は、「外への執着や自己誇示から離れ、内なる本質に誠実であれ」という点です。

現代においても、成功・失敗、称賛・非難といった外的評価に囚われず、
常に静かに自分自身を見つめ、ブレずに生きることが、真の自由へと至る道なのです。


ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
慢心なきリーダーシップ「自分が成果を出した」と誇るのではなく、周囲や原理原則への謙虚さを忘れないことが長期的信頼を生む。
外的評価からの自由評価や数字に一喜一憂せず、行動の動機を内なる使命に置くことで、ぶれない判断ができるようになる。
感情による迷いを超える成功への興奮や失敗への恐れに流されず、冷静さを保つ習慣が持続可能な判断と実行力を育てる。
自己認識に根差すマネジメントチームにおいても、他者をコントロールするよりも、まず自分自身の意識・習慣・価値観のマネジメントを重視することが、組織全体の質を高める。

心得まとめ

「誇らず、惑わず、内に集中する者こそが、真に自由である」

私たちは結果や感情、他人の目に振り回されがちである。
しかし、真の安定と成長は、外ではなく内に向かうことから始まる。
慢心を捨て、迷いを超え、自分自身の本質に立ち返る――
それが不滅の境地、すなわち揺るがぬビジネスと人生を築く土台である。

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