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愚と歩むな、智と会うまで独りで進め


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📜 引用原文

第一四章 憎しみ 一五
「旅に出て、もしも自分にひとしい者に出会わなかったら、
むしろきっぱりと独りで行け。
愚かな者を道伴れにしてはならぬ。」
— 『ダンマパダ』


🔍 逐語訳

もし旅に出て、
自分と同じような志・智慧・徳を持つ者に出会えなかったならば、
あえて人と共にせず、むしろ迷わず独りで歩みなさい。
なぜなら、愚かな者を道連れにすれば、
自らの道が損なわれてしまうからである。


🧩 用語解説

  • 自分にひとしい者:志・価値観・倫理観・思慮深さなどにおいて、自分と等しい、もしくはそれ以上の同道者。
  • きっぱりと独りで行け:妥協せず、自らの信念を保って進めという命令形。自立と覚悟のすすめ。
  • 愚かな者:短慮・無反省・利己的で、道理に暗い者。仏教においては“悪友”とされ、避けるべき存在。
  • 道伴れ(みちづれ):共に人生や修行を歩む者。ここでは思想・行動に影響を及ぼす相手。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

旅に出て、自分と同じような志や理解を持つ者がいないなら、
無理に誰かと組むのではなく、潔く一人で歩み続けなさい。
なぜなら、もし愚かな者と共に進めば、
あなたの旅そのものが、無意味になってしまうからである。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、「仲間は必要だが、誰でもよいわけではない」という厳粛な教えです。
特に仏教では、「悪友に染まるくらいなら、独りで修行せよ」と繰り返し説かれています。

人は孤独を恐れて、時に望まぬ縁に妥協しがちです。
しかし、それは人生の旅路における方向を誤らせる危険な選択

同じ志を持つ者が現れるまで、道を守り、信念を貫く勇気こそが、
本当に価値ある仲間を引き寄せる力になる
のです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での活用例
パートナー選びの原則単に手を組むことが目的ではなく、価値観や倫理観が合致することを重視するべき。
孤独なリーダーの選択賛同者が得られなくても、誤った方向に妥協せず、独自に信念を貫いて動く勇気がリーダーには求められる。
採用・チームビルディング実力よりも「考え方・在り方の質」を見て、誤った人材を組織に迎え入れない慎重さが重要。
意思決定の独立性多数派や目先の利益に流されず、孤独な決断でも信じる道を取れるマインドセットが成熟した判断につながる。

🧭 心得まとめ

「孤独を恐れるな、愚かさと歩む方が危うい」
「仲間がいなければ、自分が仲間になる日まで、独りで進め」

この句は、質の低い縁に妥協することの危うさと、
孤独を乗り越えてでも道を貫く覚悟の尊さ
を教えています。

賢き友が現れるまで、真理を携えて一人で歩く人こそ、
やがて道を照らす者になる。

それが仏陀の教える“独りあるき”の価値なのです。

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