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揺るがぬ勝利は、己を制する者に宿る


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📖 引用原文(日本語訳)

自己にうち克つことは、他の人々に勝つことよりもすぐれている。つねに行ないをつつしみ、自己をととのえている人、
このような人の克ち得た勝利を敗北に転ずることは、神も、ガンダルヴァ(天の伎楽神)も、悪魔も、梵天*もなすことができない。
― 『ダンマパダ』第八章「千」第104–105偈


🔍 逐語訳(意訳含む)

  • 自己にうち克つこと:怒り・欲・驕り・怠惰などの煩悩を乗り越えること。
  • 他の人々に勝つことよりもすぐれている:外的な勝利よりも、内面の制御こそが高次の価値を持つ。
  • つねに行ないをつつしみ:言動・振る舞いにおいて慎み深く節度を持っていること。
  • 自己をととのえている人:自己訓練・省察を続け、内なる秩序を保っている人。
  • 神も、ガンダルヴァも、悪魔も、梵天もなすことができない:超自然的存在でさえも、その勝利を覆すことは不可能であるという徹底的な賛美。

🗂️ 用語解説

用語解説
ガンダルヴァインド神話における天界の楽神。美声と芸術を司る存在で、神々の仲介者的役割も果たす。
悪魔(マーラ)仏教における煩悩の化身であり、悟りを妨げる存在。
梵天(ブラフマー)インド神話の創造神。非常に高次の存在であり、ここでは超越的な存在の代表。

🗣️ 全体の現代語訳(まとめ)

他人に勝つことは一時のことだが、自分自身に打ち克つことは永遠の価値を持つ。そして、日々の行動を慎み、内面の修養を怠らない者が得た勝利は、いかなる神や超自然の力をもってしても奪うことができない。
つまり、「己に勝つ者の勝利」は、揺るぎなきものであり、天にも地にも敵わない普遍的な力である。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、以下のような強いメッセージを私たちに伝えています:

  • 内面的勝利は、外的勝利よりもはるかに深く、尊く、持続する。
  • 自己の統制があってこそ、他者や社会に真の影響を及ぼすことができる。
  • 節制・内省・規律によって得た成果は、誰にも奪われない。

現代社会では成果や勝利が「他人との比較」によって語られることが多いですが、この偈は、**「絶対的な勝利とは、自分自身を律することによってのみ得られる」**と明言しています。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
経営・リーダーシップ数字での勝ち負けよりも、長期的に信頼される人格と節制が真の力となる。
個人の成長スキルや知識以上に、自律・継続・冷静な判断力こそが抜きん出た成果を生む。
組織文化形成外的競争よりも、自己を律する文化を育てることが、組織全体の強靭性を高める。
プレッシャー耐性外部環境の変化やトラブルに動揺せず、自己を保ち続ける力が危機を乗り越える力となる。

✅ 心得まとめ

「自分に克つ者の勝利は、天地すら動かせない」

社会でどれだけ称賛されようとも、自己に打ち克てなければ真の成功とは言えない。
一方、自律と節制を貫き、内なる秩序を築いた者が得た勝利は、誰にも壊せず、どんな逆風にも揺るがない。
それは“無敵”という言葉の、真の意味である。

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