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揺るがぬ軸こそ、変化の中の支えとなる


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■引用原文(第11章 第18節)

アルジュナは言った:
「あなたは不滅のもの、最高の知らるべき対象である。あなたは全世界の最高の拠り所である。
あなたは不変であり、永遠の教法の守護者である。あなたは永遠のプルシャであると私は考える。」
―『バガヴァッド・ギーター』第11章 第18節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • あなたは滅びることのない存在(不滅)です。
  • あなたは最も知るべき対象(至上の智慧)です。
  • あなたは宇宙全体の最高の基盤(根拠)です。
  • あなたは変わらず、永遠の法(ダルマ)を守る方です。
  • 私はあなたを「永遠のプルシャ(根本原理・霊我)」であると信じています。

■用語解説

用語解説
不滅(アクシャラ)永遠不変で、滅びない真理の存在。物質的なものと対比される霊的な本質。
知らるべき対象(ヴェッディヤ)人間が人生を通して追い求めるべき究極の知識・真理。神・自己・真我のこと。
拠り所(ニダーナ)世界の根本的な基盤・支え。存在の根源。
教法(ダルマ)宇宙と道徳の秩序。真理に基づいた行動原理。
プルシャ「霊我」や「真なる自己」を意味する哲学的用語。変化する現象世界の根源にある不変の主体。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、神の全宇宙的な姿を前にして、彼(神)が滅びることのない存在であり、人が求めるべき最高の真理であると認識する。
さらに、全世界の存在が拠って立つ根本であり、永遠の法(ダルマ)を守り続ける存在、
そして不変の魂(プルシャ)であると讃える。
これは「何が本当の支えであるのか」を悟った瞬間の賛辞である。


■解釈と現代的意義

この節は、「変化の激しい世界において、変わらぬ真理が存在する」ことを教えてくれます。
人がどんな状況に置かれても、行動や判断の拠り所となる「普遍的な軸」が必要です。
それは宗教的には神であり、哲学的には自己の本質(アートマン)であり、
実践的には「信念」や「原則」でもある。
この軸があることで、人は迷いから解放され、どんな変化の中でも揺らがずにいられるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
経営理念の重要性変化する経済や社会環境の中でも、揺るがぬ経営理念が企業の軸となり、意思決定や方向性の基準となる。
リーダーの原則圧力や混乱の中でも、リーダーが「守るべき軸」を持っていることが、信頼と安定感を生む。
長期的な信念と持続性流行や短期利益に振り回されず、「自分たちが何を大切にしているか」を明確に持ち続けることが、企業の持続的成長につながる。
個人の判断基準転職や困難な局面にあっても、自分自身の価値観・信念(=プルシャ)を見失わなければ、ぶれない判断ができる。

■心得まとめ

「すべてが変わる時こそ、変わらぬ軸が力になる」

変化や混沌の中でも、人は「不変の原理」に立脚することで、本当の自由と強さを得られる。
それは信念であり、良心であり、道理である。
企業においては理念であり、リーダーにおいては揺るがぬ覚悟である。
この軸を持つことが、真の持続力とリーダーシップにつながるのである。


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