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かつてない視野が、かつてない力を呼び覚ます


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■引用原文(第11章 第6節)

聖バガヴァットは告げた。
「見よ、アーディティヤ神群、ヴァス神群、ルドラ神群、アシュヴィン双神、マルト神群を。
そして、かつて一度も見たことのない、多くの驚異を。」
—『バガヴァッド・ギーター』第11章 第6節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 見よ、アーディティヤ(太陽神群)を。
  • 見よ、ヴァス(自然の本質を司る神々)を。
  • 見よ、ルドラ(破壊と再生の神々)を。
  • 見よ、アシュヴィン(双子の医薬の神)を。
  • 見よ、マルト(嵐の神々)を。
  • そして、今まで決して見たことのない、数々の偉大なる驚異を。

■用語解説

用語解説
アーディティヤ神群太陽神スーリヤを含む12の光明の神々。宇宙の秩序と生命の根源を象徴する。
ヴァス神群火・水・風・空・星など、自然界のエレメントを神格化した8神。存在の構造を表す。
ルドラ神群怒りと浄化を司る神群。後のシヴァ神に対応。破壊による再創造の象徴。
アシュヴィン双神医療・回復・美と若さの神。双子神であり、癒やしと救済の象徴。
マルト神群嵐と戦いの神々。エネルギー、運動、変革の象徴。
驚異(アシュチャリヤ)畏敬と感動を引き起こす神聖な現象。感覚では捉えきれない精神的真理の現れ。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナはアルジュナに、あらゆる神性の象徴――自然、癒やし、秩序、変革、破壊――を一挙に見せようとしている。
これらは単なる神々のリストではなく、宇宙に存在するあらゆる力の側面であり、
それを統合的に認識することで初めて「全体を見る」洞察が得られる。


■解釈と現代的意義

この節は「世界を細部ごとに見るのではなく、統合された全体像として捉える目を持て」という教えです。
多様な要素(神々)がそれぞれ役割を持ちながら、宇宙の一大構造を構成している。
私たちも、個別の事象や役割を超えて、「すべてが一つにつながっている」という視点に立つとき、
驚異(ワンダー)と気づき(アウェアネス)が訪れるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
組織の見方組織の部門や人材を「分業」として見るのではなく、「全体の生態系」として捉える。
イノベーション異なる分野(自然・破壊・再生・癒やし)を融合させることで、これまでにない価値を創造する。
リーダーシップ様々な性質(強さ、柔軟さ、回復力、秩序、混沌)をバランスよく見る視座が必要。
ビジョン設計部分ではなく、宇宙的全体性から物事を構想することで、スケール感と持続力のある戦略が生まれる。

■心得まとめ

「全体を見よ。そこに真の力が宿る」

自然も、組織も、人間も、それぞれに異なる力を宿している。
しかし、それらはバラバラに存在しているのではなく、すべてが一つの大いなる力の現れである。
偏らず、限定せず、すべてを視野に収めたとき、初めて人は「見たことのない驚異」に触れる。
ビジネスにおいても、分野を超え、部署を超え、視点を高めた者が、真の変革者となるのです。

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