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すでに歩み終えた者は、何ものにも乱されない


目次

📜 原文(第三五節)

すでに旅路を終え、
憂いをはなれ、
あらゆる束縛をのがれ、
解脱した気高い人には、
悩みは存在しない。


🔍 語句と背景解説

用語解説
旅路を終え迷いの生存(輪廻)の旅を終えた。再び生まれ変わることがない境地(解脱)を表す。
憂いをはなれ一切の心配・恐れ・執着・煩悩から離れた状態。
あらゆる束縛をのがれ欲望・怒り・無知・執着など、心を縛る内的因子から完全に解放された状態。
解脱した気高い人阿羅漢(アルハット)。個人的に悟りを開き、涅槃に至った聖者。
悩みは存在しない心の動揺・不安・迷いといった煩悩が一切消えた、完全なる静寂。

🧠 現代的解釈と意義

この節は、人生の究極的なゴール像を提示しています。
それは、「ただ苦しみを減らす」のではなく、
苦しみの根そのものを断ち、もはや悩みが生じ得ない地点に到達することです。

現代人の感覚で言えば、「不安が起きない心」、「比較も後悔もない心」、「過去と未来に囚われない今」――
そうした静かな在り方が、ここでいう**“解脱した気高い人”**なのです。


💼 ビジネスにおける応用的な解釈

観点適用例
リーダーの在り方外的変化やプレッシャーに動じない精神的安定は、真のリーダーシップに不可欠。
キャリア観の深化「次は何を得るか」よりも、「何にも囚われない働き方」を目指す段階がある。
執着からの脱却地位・報酬・成果への過度な執着を手放すことで、ブレない判断が可能になる。
不安からの自由未来の不確実性や周囲の評価に振り回されず、自らの価値観に従って静かに生きる。

✅ 心得まとめ

「迷いの旅を終え、心はもはや揺るがない。
その人に悩みはない。ただ、在るだけである。」

この節は、仏教が説く究極の静けさ、**「行き着く先としての無為・無執着の境地」**を明示しています。
到達した者には、もはや求めるものも、抗うものもなく、ただ“今ここ”に純粋に存在するのみなのです。

それは、ビジネスの現場においても、人生の局面においても、
**“最終的に目指すべき精神の座標軸”**を与えてくれる句だと言えるでしょう。


🔚 前後の文脈における位置づけ

節番号主題流れ
三三節彼岸に至る者は少数少数者の目覚めを明示
三四節真理を見抜く者は彼岸に至る道の可能性を提示
三五節解脱に至った者には悩みがない到達者の完成像を描写(理想形)

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