孟子は、良いことを行うことができても、その理由や道理を理解していない人が多いと語った。人は何度も行動を繰り返しても、その背後にある道理を深く学ばなければ、本当の意味でその行いに価値を見出すことはできないと孟子は教えている。道理を学ぶことなくただ習慣的に行動することは、意味を欠いた行いであり、誠実さや理解が伴わなければ、人生の本質を見失ってしまう。
「孟子曰(もうし)く、之(これ)を行うて而(し)ても著(あた)らず、習(なら)うて而も察(さっ)らかならず、終(しゅう)身(しん)之に由(よ)りて、而も其の道(みち)を知らざる者、衆(おお)しきなり」
「道理を行っていても、その意図を理解せず、学びながらもその本質に気づかず、終生その道に従っても、その本当の意味を知らない者は、非常に多い」
道理をしっかりと学び、その理解を深めることが、人間として成長し、より良い行動をするためには不可欠である。
※注:
「著(あた)らず」…行動が表面的で、深い理解がない状態。
「察(さっ)らかならず」…道理やその背景を理解していない。
「終身之に由りて」…一生涯その道を実践しても。
「衆(おお)しきなり」…多くの人々がこのような状態にあること。
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