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変わるものに自分を置くな、変わらぬ本質に立て

苦しみは、変わるものを「自分」だと信じるところから始まる。
感情、心、外見、財産、役職――それらはすべて移ろい、壊れ、失われる運命にある。

「私は若々しい」と思えば、老いが恐怖となる。
「私はこの車を持っている」と思えば、傷や盗難に怯えることになる。
「私は社長である」と思えば、地位の揺らぎが存在の揺らぎとなる。

これらに共通するのは、変化するという事実。
アートマンではないものは、常に変わる。
それらに自己を重ねるとは、つまり、自らを永遠に不安定なものの上に置くことと同じである。

人の身体は一瞬ごとに細胞が入れ替わり、確実に老いへと向かっている。
どれほど抗おうとも、時間の流れに逆らうことはできない。
物もまた、朽ち、失われる。高価なものであればあるほど、それを守るために心が縛られ、不安が募る。
役職も同じ。社会的な役割は永遠には続かず、必ず終わりが来る。

この無常の世界において、変化に抵抗し、そこに「自分」を置こうとする限り、人は絶えず不安と恐れにさらされる。
それが、苦しみの根である。

だからこそ、「自分とは何か」を問い直さねばならない。
変わるものを自分だと思うな。変わらぬもの――すなわちアートマンに立脚せよ。
アートマンは、ただ在る。変わらず、揺るがず、見守っている。
それに気づいたとき、人はようやく真の安定を知る。

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