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耐えて、励みて、ついに辿り着く無上の安らぎ


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■引用原文(日本語訳)

(道に)思いをこらし、堪え忍ぶことつよく、つねに健く奮励する、思慮ある人々は、安らぎに達する。これは無上の幸せである。
(『ダンマパダ』第2章「はげみ」第23偈)


■逐語訳

  • 正しい道(法)を常に心にかけ、
  • 辛苦を堪え忍び、
  • 常にたゆまず励み、
  • 慎重で思慮深い人々は、
  • 最終的に「安らぎ」(涅槃)に到達する。
  • それは比類なき至福である。

■用語解説

  • 道(パティパダー):仏教の修行道、八正道や中道を指す。真理に至る実践的な歩み。
  • 思いをこらす(サティマー):正念を保ち、常に意識を集中すること。
  • 堪え忍ぶ(カンティー):忍耐、困難や誘惑に屈せず、耐え抜く精神。
  • 健く奮励(ヴィーリヤ):活力と努力を惜しまない精進の力。
  • 思慮ある人(パンディター):智慧ある者、行動の前に深く考え抜く人物。
  • 安らぎ(サンティ):苦しみや煩悩を離れた精神の静寂=涅槃。
  • 無上の幸せ(パラマ・スッカ):どんな世俗的な快楽にも勝る、究極の心の平和。

■全体の現代語訳(まとめ)

正しい道(法)を見失うことなく常に心に据え、困難に直面しても辛抱強く耐え、怠けることなく奮い立ち続ける。そしてすべてにおいて深い思慮をもって行動する――そうした人々は、やがて最高の「安らぎ(涅槃)」に到達する。それは何ものにも代えがたい、最上の幸福であると説かれています。


■解釈と現代的意義

この偈は、精神的成長や悟りは「短期的な成功」や「楽な道」ではなく、「堅固な意志」と「忍耐」と「継続的な努力」によって達成されるという、仏教の修行哲学の核心を示しています。
現代においても、目先の快楽や効率に流されず、志をもち、苦しみの中でもぶれずに生きる姿勢こそが、本当の幸福に導く――この教えは、今なお深い光を放っています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
ビジョン保持自社の理念やミッションという「道」を心に刻み、日々の判断と行動を一致させること。
忍耐力一時の困難や批判に動じず、継続する力こそが信頼を築き、成果を導く。
継続的精進スキル・知識・人格形成など、成長に終わりはなく「奮励し続ける」ことが真の力となる。
意志決定力思慮深い行動は、チームや顧客に安心と尊敬をもたらし、結果として大きな成果を生む。

■心得まとめ

「正しい道を忘れず、忍び、励み、深く考えよ――その先に、最上の幸福がある」

華やかな成功や一瞬の快楽は、やがて過ぎ去ります。
しかし、「道」に従い、「耐え」、「励み」、「考え抜く」人には、誰にも奪えない“安らぎ”が訪れます。
それは、成果というよりも、生き方の結実――それがこの偈が教えてくれる“無上の幸せ”です。


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