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知識を深め、実践に落とせ、両輪の歩みに真理は宿る

『バガヴァッド・ギーター』の教えには、二つの柱がある。
一つは、宇宙と自己の真理を説くブラフマンの知識(ブラフマ・ヴィッデャー)
もう一つは、その真理を日常に生かし、心と行為を整える**ヨーガの教え(ヨーガ・シャーストラ)**である。

この二つは、知識と実践という両輪であり、どちらも欠かすことはできない。
どちらか一方だけでは、馬車はまっすぐに進めない。

知識だけを集めても、日々の行動に活かせなければ、ただの観念に終わる。
一方、実践だけを繰り返しても、方向性を持たなければ、迷いと形式に陥る。
心の迷妄を断ち、真の自由(モークシャ)に至るためには、両者が揃って初めて道が開かれる。

クリシュナはアルジュナに語った。

私(※クリシュナのこと)はあなた(※アルジュナ)に、この理論知と実践知を残らず語るであろう。それを知れば、この世には、他に知るべきことは何も残っていない。(第 7章 2節)

それほどまでに、知識と実践の統合は深く、決定的な教えなのである。

知識は、内なる地図である。
実践は、その地図を手にして進むための歩みである。

日々、ブラフマンの知識を学び、自分とは何かを問い続けること。
同時に、カルマ・ヨーガをはじめとするヨーガの教えを生き方として繰り返し実践すること。

この両輪が動き続ける限り、道はまっすぐに続く。
学びが生きた智慧となり、行いが静かな力となるとき、
人生は真理に根づいたものへと変わっていく。

知識と行動、静けさと歩み――
それらを偏らずに育てる者こそ、揺るぎない生の境地へと至る。

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