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求める者が歩む道に、真理は導きを与える


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「ヴェーダ学者はそれを不滅のものと述べ、離欲の修行者はそれに入り、人々はそれを望んで梵行(禁欲行)を行う。その境地をあなたに簡潔に語ろう。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第11節


■逐語訳

「ヴェーダの知識を持つ者たちは、それ(目的地)を“不滅”と語る。
欲望を離れた修行者たちは、それに到達する。
そして人々は、その境地を得るために梵行(禁欲の道)を修める。
今、私はアルジュナよ、その境地を簡潔に語ろう。」


■用語解説

  • ヴェーダ学者(ヴェーダ・ヴィッダ)
     ヴェーダ聖典の知識を深く理解する人々。理論的に宇宙の真理を探究する者たち。
  • 不滅のもの(アクシャラム)
     壊れることなく、変化せず、永遠に存続する実在。すなわち「ブラフマン(梵)」のこと。
  • 離欲の修行者(ヴィター・ラーガ)
     感覚的欲望・執着から離れた求道者。欲望にとらわれず、精神の浄化を目指す人々。
  • 梵行(ブラフマチャリヤ)
     禁欲・節制・清浄な生き方。精神と肉体を神聖な目的に集中させる修行。
  • その境地(タット・パダム)
     神聖なる目的地。ここでは「至高のブラフマン」や「不滅の神の境地」を指す。

■全体の現代語訳(まとめ)

聖典を学ぶ者たちは、永遠の真理(不滅の実在)があると説き、
欲望を離れた修行者たちは、その境地を実際に体験しようと歩む。
また、多くの人々は、それを得るために禁欲と節制の生活を自らに課している。
今、私はその最終的な境地――究極の目的地について、あなたに分かりやすく語ろう。


■解釈と現代的意義

この節は、「目指すべき究極の境地=真理への到達」が多くの求道者の目標であり、
それに至るためには、**知識(学問)・修行(節制)・信念(志向)**が必要であるという全体像を提示している。

クリシュナは、理論だけでなく実践も伴う「総合的な精神の旅路」を肯定し、
これから語られる深遠な智慧への“導入”として、この節を置いている。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
学びと実践の融合知識(理論)と行動(実践)の両輪でのみ、深い理解と成果が生まれる。学ぶだけでは足りない。
節制と集中の価値自己規律をもって欲望をコントロールし、目標に集中できる人ほど、長期的な信頼と結果を得る。
志ある行動高い理想やビジョンに向かって進む人は、自らの行動に意義と品格を見出すことができる。

■心得まとめ

「真理を求める者に道は示される。学び、整え、歩めばいい。」

この節は、永遠の真理に向かって歩む者には、
知識・禁欲・集中という三つの力が必要であると教えてくれる。
ビジネスにおいても、単なる成果主義ではなく、
学び・内省・節制といった精神的資質を育てることが、
真に持続可能な成長と到達をもたらす。

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