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【2-55】 真の叡知者とは何か

目次

◆第2章 第55節による心得

●原文引用

「アルジュナよ、意にあるすべての欲望を捨て、自ら自己においてのみ満足する時、その人は智慧が確立したと言われる。」(第2章 第55節)


●逐語訳

  • アルジュナよ:アルジュナに向けた呼びかけ。
  • 意にあるすべての欲望を捨て:心の中にあるあらゆる欲望を放棄し、
  • 自ら自己においてのみ満足する時:自分自身の内面だけに満足を見出すようになった時、
  • その人は智慧が確立したと言われる:そのような人こそ、真の知恵を得た者とされる。

●用語解説

  • 欲望(カーマ):対象への期待・執着・得たいという思い。智慧を曇らせる根源。
  • 自己においてのみ満足する:外部の評価や物質によらず、自己の本質に目覚め、内面的な満足を得る状態。
  • 智慧が確立した:動じない、揺るがない知性が備わった状態。

●全体現代語訳

アルジュナよ、もし誰かが心に浮かぶすべての欲望を捨て、自らの内なる自己にのみ満足を見出すようになったなら、その人は揺るぎない智慧を確立した者とされる。


●解釈と現代的意義

この節は、「外のものに依存せず、内なる充足を知ること」が智慧の基盤だと説いています。
現代では、多くの人が「成功・富・称賛」といった外的価値に心を奪われがちですが、それらが満たされないと心が不安定になります。ギーターは、真の安定や創造性は自己充足から生まれると語っています。


●ビジネスへの応用と具体例

ビジネス状況応用ポイント
昇進・評価の有無外的評価を求めすぎず、自分の価値観や成長に軸を置く。
モチベーション維持報酬や結果でなく、使命感や内なる意味づけに支えられる行動。
長期的ビジョンの構築短期的欲望に振り回されず、理念や本質に沿った意思決定ができる。
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