目次
📖 引用原文(日本語訳)
(他人を)訓戒せよ、教えをさとせ。宜しくないことから(他人を)遠ざけよ。
そうすれば、その人は善人に愛せられ、悪人からは疎まれる。——『ダンマパダ』第六章「賢い人」第77偈
🔍 逐語訳
- 訓戒せよ:間違いを正しく諫めなさい。
- 教えをさとせ:真理や正道を相手に伝えなさい。
- 宜しくないことから遠ざけよ:不善な行い、間違った方向に向かわせないようにしなさい。
- 善人に愛され、悪人に疎まれる:正しく生きる者は、徳ある人々には敬愛され、悪しき者からは避けられる。
🧾 用語解説
用語 | 意味 |
---|---|
訓戒(くんかい) | 他人の過ちや不適切な態度に対して、優しくまたは厳しく指導すること。 |
さとす(諭す) | 真理や正道を分かりやすく言葉で伝えて目覚めさせること。 |
宜しくないこと | 不道徳・無思慮・無責任な行為や態度の総称。 |
善人・悪人 | 道徳と徳を備えた者/道に反し自利的な者。 |
🌐 全体の現代語訳(まとめ)
他人に対しては、間違いがあればきちんと諫め、正しい道を教え導き、不善な方向に進まないように助けること。それを誠実に行う者は、善き人々から信頼と尊敬を受け、悪しき者たちからは警戒されるだろう。
🧑🏫 解釈と現代的意義
この偈は、「他人の過ちを見て見ぬふりせず、正しく伝えることの価値」を教えています。多くの人は波風を立てないようにと黙ってしまいがちですが、それは相手の成長機会を奪う行為にもなり得ます。正義を貫くことは時に孤独にもなりえますが、長期的には信頼と尊敬を得る道なのです。
💼 ビジネスにおける解釈と適用
ビジネステーマ | 解釈と応用 |
---|---|
フィードバックの質 | 問題を指摘せずに放置すれば組織の腐敗に繋がる。愛をもって指摘できる者こそ信頼される。 |
マネジメント姿勢 | 部下のミスや不正を黙認することは、一時の安定をもたらすが、長期的に信頼を失う。指摘・改善指導は真のリーダーの務め。 |
信頼の構築 | 厳しいことを正面から伝える姿勢は、善き仲間に信頼され、悪意ある者に抑止力となる。 |
企業文化形成 | 「見て見ぬふりをしない」文化は、健全で風通しの良い組織風土を育てる。正しいことを正しいと言える空気が、組織の軸となる。 |
🧭 心得まとめ
「真に相手を思うなら、耳に痛いことも伝えよ」
善き友とは、苦言を呈してでも相手を正しい道に導こうとする存在である。波風を恐れて沈黙するよりも、正道を伝えよ。善人にはその誠意が通じ、悪人は自ずと離れていく。信頼とは、真実を語る勇気から生まれるのだ。
コメント