MENU

執着を超えた平静こそ、真の強さ


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「妻子や家などに対して執着や愛着のないこと。
好ましい、または好ましくない出来事に対し、常に平等な心でいること。」
(『バガヴァッド・ギーター』第13章 第9節)


■逐語訳

家庭・配偶者・子ども・財産などに対して、執着や過剰な愛着を抱かず、
また、好ましい出来事にも、好ましくない出来事にも、心を揺らさず、平等な態度を保つこと。


■用語解説

用語意味
執着(スネーハ/アースクティ)心が対象に縛られ、手放せない状態。感情的依存。
妻子・家(ダーラ・グリハ)家庭生活・所有物・人間関係など「私のもの」と認識される対象。
平等な心(サマチッタ)物事の結果に一喜一憂せず、常に穏やかで安定した精神状態を保つこと。
好ましい・好ましくない出来事成功と失敗、賞賛と批判、得と損など、外的状況の変化。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、「家族や所有物への愛着」「喜びや苦しみへの感情的反応」に縛られることなく、それらを超えたところに心の平等さを保つことが、真の智慧に通じる態度であると説いている。


■解釈と現代的意義

この節は、愛情そのものを否定するのではなく、「執着に変わった愛」は、やがて苦しみや混乱の源になるという真理を示しています。
また、外的な出来事によって心が上下する状態から脱し、「何があっても動じない安定した心」を持つことが、自由と解脱への第一歩であることを教えてくれます。


■ビジネスにおける解釈と適用

視点解釈と応用例
リーダーの安定性成功しても慢心せず、失敗しても沈まず、平常心でチームを導くリーダーは信頼される。
執着の整理立場・評価・成果に過度にしがみつくと、判断が歪む。自他の執着を俯瞰できる人が冷静な戦略を立てられる。
感情的距離感チームメンバーへの愛情を持ちつつも、「依存」や「干渉」に陥らず、適切な距離感で接することが健全な関係を育む。
変化への対応力経済・顧客・環境が激しく変化する中で、状況に左右されない精神的バランスが強みとなる。

■心得まとめ

「愛することと、執着することは違う。手放してこそ、心は自由になる」

『バガヴァッド・ギーター』は、身近な人や物に心が縛られすぎると、智慧を曇らせ、心の平和を失うことを教えます。
愛情や責任を持ちつつも、過度な期待・依存・恐れを手放すことで、より自由で深い関係が築けます。
また、人生の出来事に一喜一憂せず、どんな時も平等な心で在り続けることが、真の強さであり、成熟の証なのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次