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偽りの力を抑えてこそ、本当の心があらわれる

自分を誇って他人を見下すような心は、自分自身の力から生まれたものではなく、
他から借りた「客気」、つまり偽りの空元気にすぎない。
この客気をしっかりと抑えることができてはじめて、
本来の「正気」――自分の内面から湧き上がる真の勇気と気力が伸びてくる。
また、さまざまな情欲や損得づくの打算はすべて「妄心」から生まれる迷いであり、
それらを完全に消し去ることができれば、そこにこそ「真心」――本当の自己の心が現れる。
偽りを抑え、迷いを断ち、初めて本来の自分と向き合えるのだ。


「矜高倨傲(きょうこうきょごう)は、客気(かっき)に非(あら)ざるは無し。
客気を降伏(こうふく)し得(う)下(くだ)して、而(しか)る後(のち)に正気(せいき)伸(の)ぶ。
情欲意識(じょうよくいしき)は尽(ことごと)く妄心(もうしん)に属(ぞく)す。
妄心を消殺(しょうさつ)し得(う)尽(つ)くして、而る後に真心(しんしん)現(あら)わる。」


注釈:

  • 矜高倨傲(きょうこうきょごう)…自らを誇って驕り高ぶり、他人を見下す心。自負心や傲慢。
  • 客気(かっき)…自分のものではない外から借りた元気。虚勢や空元気。
  • 正気(せいき)…内面から自然に湧き出る本来の気力や勇気。真に力のある姿。
  • 妄心(もうしん)…迷いの心。妄想や煩悩、打算など本質から離れた思考。
  • 消殺(しょうさつ)…完全に断ち切る、消し去ること。
  • 真心(しんしん)…純粋で偽りのない本当の自分の心。道にかなった誠の心。
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