MENU

本質を超えた存在にこそ、真の敬意が集まる

目次

■原文

アルジュナは言った。
「彼らがどうして敬礼しないであろうか。梵天*よりも偉大な本初の創造者に。偉大な方よ。無限の方よ。神々の主よ。世界の住処よ。あなたは不滅のものである。有であり非有であり、それよりも高いものである。」
(11章37節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • 彼らがどうして敬礼しないであろうか。
     → 敬意を払わない理由があるだろうか?と、反語的に驚きを表す。
  • 梵天よりも偉大な本初の創造者に。
     → 万物の創造神・梵天(ブラフマー)よりも偉大なる「最初の創造主」であるあなたに。
  • 偉大な方よ。無限の方よ。神々の主よ。世界の住処よ。
     → あなたは最も偉大で、限りなく、すべての神々の支配者であり、全世界がそこに宿る存在である。
  • あなたは不滅のものである。有であり非有であり、それよりも高いものである。
     → あなたは永遠不滅であり、「存在するもの(有)」でも「存在しないもの(非有)」でもない、それらを超越した存在である。

■用語解説

  • 梵天(ブラフマー):ヒンドゥー神話における創造神。創造・維持・破壊の三位一体神の一柱(他はヴィシュヌ、シヴァ)。
  • 本初の創造者:全ての存在以前にある、宇宙根源の存在としての神。
  • 有・非有(sat / asat):哲学的概念。「有」は存在する現象界、「非有」は無や未顕現。両方を超越する絶対者を示唆。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは言った:
「どうして彼らが敬礼しないことがあるでしょうか。あなたは梵天をも超える、宇宙の最初の創造主なのです。偉大で、無限で、神々の支配者であり、世界の拠り所です。あなたは不滅であり、有と非有のどちらにも限定されない、それらを超える存在です。」


■解釈と現代的意義

この節では、アルジュナが神(クリシュナ)の宇宙的本質を完全に受け入れ、神への絶対的な敬意と驚嘆を表明しています。
神は「存在する・しない」の二元を超えた、全ての根源であり、創造と破壊を超える究極の原理であると認識されています。

これは、「限定された概念では捉えきれない存在」が真の原理であるという、ヴェーダンタ的な非二元思想(アドヴァイタ)にも通じます。


■ビジネスにおける解釈と適用

  • リーダーは「目に見える役割(創造・支配)」だけでなく、その根本にある理念・存在感によって尊敬される。
     → 真に偉大な人物には、行動以上に「存在そのもの」が信頼や影響力を放つ。
  • 物事の本質を理解すれば、自然と敬意が生まれる。
     → 表面的な地位や役職よりも、実際の働きや存在感が人の心を動かす。
  • 二元的思考(成功/失敗、損/得)を超えて、原理原則に従う姿勢が人の信頼を生む。

■ビジネス心得タイトル


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次