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身・口・心を慎む者こそ、真の完成者


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第16偈)

身体にも、言葉にも、心にも、悪いことをなさず、
それら三つの領域すべてにおいてよく慎んでいる人――
その人こそを、私は〈バラモン〉と呼ぶ。
――『ダンマパダ』第33章 第16偈


🔍 逐語訳(意訳)

身体で悪い行いをせず、
口で人を傷つけたり嘘をついたりせず、
心の中でも貪りや怒りを抱かない――
この三つの領域をよく制御し、慎み深く保っている人こそ、
真に尊ぶべき〈バラモン〉である。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 身体(身業):殺生・盗み・邪淫など、身体による不善行動。
  • 言葉(口業):虚言・悪口・両舌・綺語など、言語による不徳。
  • 心(意業):貪欲・瞋恚・邪見など、内面における悪しき想念。
  • 三つのところ(三業):仏教の倫理と修行の基本単位。「身・口・意」の三つ。
  • 慎む(サンヴァラ):抑制し、乱れぬように気をつける。内省と自律。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

身体でも、言葉でも、心の中でも、
一切の悪をなさずに、常に慎みをもって生きている人――
その人こそが、仏陀の定める「バラモン」、
つまり真に清らかで、完成された人間である。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、仏教倫理の根本をなす三業の慎み(自制)の重要性を説いています。
人はしばしば「やってない(行動に出していない)」ことを免罪符にしますが、仏陀は心にさえ悪しき想念を持たぬように
と説いており、その精神の清浄さを極限まで求めています。

現代では、「悪口を言わない」「礼儀正しい」だけでなく、内心の誠実さ・思考の清潔さも含めて人格の本質とされつつあります。
仏陀のこの偈は、まさに人間の全存在にわたる清らかさを規範として提示しているのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
三業の一致が信頼をつくる態度・言葉・考えが一致している人はブレがなく、信頼を獲得する。
言葉の慎みと影響力軽い一言が大きな影響を及ぼす場面では、沈黙や配慮が真価を発揮する。
心の管理=感情コントロール怒りや嫉妬を自覚し、それに巻き込まれないことが成熟したリーダーの証。
内省と日々の修正自分の行動・発言・心の動きを日々チェックし、軌道修正する習慣が、人格と判断力を育てる。

💡 感興のことば:心得まとめ

「行い、言葉、そして心――
この三つを慎む者こそ、真に尊い。」

どんなに優れたスキルや知識を持っていても、
それを支える心と行動が清らかでなければ、
人の信頼は得られない。
仏陀は、“見えない心”まで浄化することを、
真のバラモンの条件と説いている。

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