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欲と慢を離れてこそ、本当の安らぎがある


目次

🔖 原文(日本語訳)

「世にあって、情欲を離れ、諸の欲望を超えているのは、楽しい。
『おれがいるのだ』という慢心をおさえよ。
これこそ最上の安楽である。」
――『ダンマパダ』第1章「双句品」第19偈


📝 逐語訳

  • 世にあって:この現実社会の中で、日々の生活や人間関係を持ちながら。
  • 情欲を離れ:愛欲・官能的な欲望から距離を置く。
  • 諸の欲望を超えているのは、楽しい:あらゆる執着や物質的欲求を超越している状態は、深い安らぎをもたらす。
  • 「おれがいるのだ」という慢心をおさえよ:「自分が偉い」「自分が正しい」という自己中心的な思い上がりを克服すべきである。
  • これこそ最上の安楽である:このような無我と超越の境地が、究極の幸福である。

🧩 用語解説

用語意味
情欲(かじょう)感官的・性愛的な執着。
諸の欲望財産・地位・支配・名誉・快楽など、あらゆる「欲しい」という執着。
慢心(まんしん)自己評価に対する過度の執着。「我こそは」と思う心。
おれがいるのだ自我の誇張・主張。自己意識の肥大化。
最上の安楽(パラマ・スッカ)仏教において、煩悩を離れた無我の静けさこそが至高の喜びとされる。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

現実の社会の中であっても、情欲や物欲を離れた生き方には深い喜びがある。
そして、「自分が自分が」と主張する慢心を抑え、静かに無我に生きること――それこそが、
人生で得られるもっとも深い安らぎであり、真の幸福のかたちである。


💡 解釈と現代的意義

この章句は、「欲望」と「エゴ」の放下こそが、人生の本当の解放であると教えています。
現代では、自己主張や欲の達成が成功と見なされがちですが、仏教は逆に、
手放すこと、謙虚であること、満たされていると知ることを、最上の喜びと位置づけています。

それは自己否定ではなく、本当の自分を中心に据えた、静かで自由な生き方のすすめです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
リーダーシップ権威や名声にとらわれず、謙虚さを持つリーダーは、真に尊敬される存在になる。
セルフマネジメント昇進・報酬・評価への過剰な欲を手放すことで、平常心と持続的な集中が得られる。
チーム運営「誰が成果を出したか」よりも、「チームで何ができたか」に意識を向けることが、協力を促進する。
自己成長成長とは得ることではなく、余分な執着を削ぎ落とすことで内面が洗練されていくことでもある。

✅ 心得まとめ

「欲に振り回されず、自分に執着しない――それがもっとも深い自由である。」

「もっと欲しい」「自分が正しい」――その思いが、苦しみの原因となります。
逆に、欲を離れ、自己を抑え、静かに生きる人こそが、最も軽やかで、最も強く、最も喜びに満ちた存在です。
何も主張しない人が、実は最も満たされている――それが仏陀の教えの核心のひとつなのです。

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