目次
📖 原文(第33章 第82偈)
熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって、
これらの徳が現われるとき、
かれは全世界を照らしている。
ブッダはすべての束縛の絆から解脱しているからである。
📘 逐語訳と用語解説
句 | 解釈 |
---|---|
熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって | 日々の修行と内省に励み、実践を積む者に対して |
これらの徳が現れるとき | 慈悲・無我・清らかな行為・智慧など、修行の成果としての精神的完成が顕れるとき |
かれは全世界を照らしている | その人の生き方・在り方が、人々に希望と気づきをもたらすようになる |
ブッダはすべての束縛の絆から解脱しているからである | この世界における一切の執着、煩悩、生死の輪廻などから完全に自由である存在ゆえに、仏陀は光を放つのである |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
修行に励み、瞑想を重ね、徳を身につけた人は、
その清らかさと精神的力によって、世界を明るく照らす。
それは、まるで仏陀が、
すべての執着や束縛を断ち切って自由となり、
存在そのもので周囲を照らしているように、
その人の在り方が、他者に道を示す光となるからである。
🧠 解釈と現代的意義
この偈は、**「なぜ徳を備えた者が世界を照らす存在となるのか」**を仏陀の姿に重ねて説いています。
- 仏陀は一切の束縛を断ち切った=完全な自由人であり、ゆえに揺るがぬ光を放つ存在。
- それに倣う修行者もまた、徳を積むことでその光に近づき、周囲に影響を与える。
- 真の輝きとは、外見や地位からではなく、「一切の束縛から自由であること」から生まれる。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
領域 | 応用の視点 |
---|---|
リーダーシップ | 束縛(承認欲求・見栄・不安・執着)から自由な人ほど、ぶれずに組織を導く光となる |
自己マネジメント | 他者に影響を与えるためには、まず自分の「欲」や「恐れ」を見つめ、手放すこと |
キャリア形成 | 社会的肩書きではなく、内面の成熟こそが真の信頼と影響力を築く鍵である |
ブランド哲学 | 商業的欲望にとらわれない「本質的な価値」や「無執着の姿勢」が、長期的信頼を勝ち取る |
💡 感興のことば:心得まとめ
「すべての束縛を断った者は、黙していても世界を照らす。」
煩悩や執着を超えて自由に生きる人こそ、
その静かな在り方で、
まるで太陽のように周囲を照らす。
それは言葉や知識では届かない、
「存在の力」そのものである。
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