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己を知る道、それが真の知識である


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「常に自己に関する知識に専念すること。真知の目的を考察すること。
以上が『知識』であると言われる。それと反対のことが無知である。」
(『バガヴァッド・ギーター』第13章 第11節)


■逐語訳

常に「自己(アートマン)」についての理解を深めることに努め、
「真理の認識(プラジュニャー)」が目指すべき究極の目的とは何かを熟慮すること。
これらの態度と実践が「知識(ジュニャーナ)」と呼ばれる。
それに反する姿勢・考え方・行動は「無知(アジュニャーナ)」である。


■用語解説

用語意味
自己に関する知識(アートマ・ジュニャーナ)「私は誰か?」を探求する霊的自己認識。身体や思考ではない“真我”への気づき。
真知の目的(タットトヴァ・ジュニャーナールタ・ダールシャナ)知識のゴール。現象の背後にある究極の真理(ブラフマン/神)を理解しようとする姿勢。
知識(ジュニャーナ)単なる情報ではなく、真理に向かう智慧と人格的成熟を含む在り方。
無知(アジュニャーナ)自己と非自己の区別がつかないこと。物質的成功や外界のみに執着すること。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、学ぶべき「知識」とは物事をたくさん知ることではなく、
「自分は何者か」「人生の目的は何か」を深く問い続け、内面の成長と真理への理解を志すことだと説いている。
それに反する、外見や成果にばかり囚われた人生こそ「無知」だと明言する。


■解釈と現代的意義

この節は、真の知識とは「内に向かう力」であることを強く語っています。
どれだけ外の世界に詳しくても、自分自身を知らず、自分の軸や価値を見失っていれば、それは「無知」に等しい。
現代人が忙しさや情報の波に飲まれていくなかで、この教えは「知識の質」を問い直す力を与えてくれます。


■ビジネスにおける解釈と適用

視点解釈と応用例
セルフリーダーシップどんな立場でも「私はなぜこれをやるのか?」という自己認識がある人は、ブレない行動ができる。
意思決定力内面の軸を持っている人は、状況に左右されずに本質的な選択ができる。
人材育成スキルや実績よりも、「自分は何者か」「何のために働くのか」を考える力が長期的な成長につながる。
組織の成熟ビジョンやパーパス(目的)を問い続ける文化がある組織は、危機にも強く、結束が深まる。

■心得まとめ

「真の知識とは、“自分とは何者か”を問い続ける力である」

『バガヴァッド・ギーター』は、「自分を知ること」こそが最高の知識であり、そこから真の自由・判断・行動が生まれると教えています。
現代社会においても、肩書や成果に惑わされず、自分の存在と向き合い、人生の意味を問い続ける人こそが、本物の知恵者なのです。

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