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欲を離れてこそ、ほんとうの歓びがある


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📖 引用原文(日本語訳)

第一四章 ブッダ 一八七
天上の快楽にさえもこころ楽しまない。
正しく覚った人(=仏)の弟子は、
妄執の消滅を楽しむ*。

※「妄執(もうしゅう)」=真理に照らさず、欲や無知によって対象に執着する誤った心の働き。
※「妄執の消滅」=煩悩の根絶、すなわち心の自由と解脱。


🧩 逐語訳

  • たとえ天上界の快楽であっても、
  • 正しく覚りを得た人の弟子は、それに心を奪われることがない。
  • 彼らが心から楽しむのは、欲望や執着が静かに消えていくことそのものである。

🧘 用語解説

  • 天上の快楽(ディーヴァ・スッカ):天界における極上の感覚的幸福。比喩的には「最高レベルの快楽」のこと。
  • 正しく覚った人の弟子:仏の教えを実践し、欲望・執着から離れようと努力する修行者。
  • 妄執の消滅:無明や渇愛による心の縛りを解き、自由になった状態。仏教における「真の喜び」。

🔎 全体の現代語訳(まとめ)

たとえ最高の快楽を手に入れられるとしても、真に覚りを求める者は、それに心を奪われることはない。
彼らが喜びとするのは、執着や煩悩が次第に消えていき、心が澄んで自由になっていくことそのもの。
快楽ではなく解放にこそ、真の幸福がある――これがこの偈の核心です。


💡 解釈と現代的意義

現代社会は、より高い報酬・贅沢・刺激・地位などの「快楽」を追い求めることが常識のように語られます。
しかしこの偈は、「快楽」ではなく「妄執の消滅」――つまり自由な心こそが最も喜ばしいと説いています。
これは、情報・欲望・競争に巻き込まれる現代人にとって、極めて深い示唆を与える教えです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
✅ 仕事の報酬高給・役職・称賛といった「外的快楽」に執着しすぎると、自分を見失う危険がある。
✅ 本質的なやりがい真に満たされるのは、他人との比較や評価ではなく、「自己の執着から自由になる」プロセスそのもの。
✅ 心の健康ストレスや不安からの解放=妄執の消滅を重視することで、メンタル面での持続性が高まる。
✅ リーダーシップ他者の称賛を求めるのではなく、内面の成熟と静けさを求めるリーダーが、深い信頼を得る。

✍️ 心得まとめ

「最も深い喜びは、“求めなくなった”ときに訪れる」
外側の快楽より、内側の自由が尊い。
心の縛りがほどけていくとき、人はほんとうの意味で軽く、喜ばしく、生きられる。
欲を得るより、欲を手放す――
それが賢者の歓びであり、ブッダの教えが導く真の幸福である。

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