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本当の知性とは、すべきことを見極める力


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■引用原文(日本語訳)

「活動とその停止、行うべきことと行うべきでないこと、危険と安全、束縛と解脱を知る知性は、純質的な知性である。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第30節)


■逐語訳

行為において、
始めるべき行為(カルマ)と停止すべき行為(アカルマ)
果たすべき義務避けるべき行為
危険(バヤ)と安全(アバヤ)
束縛(バンダ)と解脱(モークシャ)――
これらのすべてを**的確に識別できる知性(ブッディ)**は、
純質(サットヴァ)に満ちた知性である。


■用語解説

  • 純質(サットヴァ):調和・明晰・清らかさ。
  • 知性(ブッディ):物事の善悪・適否・真偽を見極める力。
  • 活動(カルマ)と停止(アカルマ):何をすべきで、何を止めるべきか。
  • 行うべきこととそうでないこと:倫理的判断、義務と誘惑の見分け。
  • 危険と安全(バヤ・アバヤ):リスクを見抜き、慎重さを保つ力。
  • 束縛と解脱(バンダ・モークシャ):行為や欲望に縛られることと、そこから自由になること。

■全体の現代語訳(まとめ)

何を始め、何を止めるべきか。
やるべきことと、やってはいけないこと。
危険な道と安全な道、縛られる生き方と自由になる生き方――
こうした区別を、明確に判断できる知性こそ、
もっとも清らかで、高次のサットヴァ的知性であるとされる。


■解釈と現代的意義

この節は、「知性とは知識量ではなく識別の力である」と明言しています。
行為の是非、リスクと安全、心の自由と執着――それらを的確に見極めることが、真に成熟した判断であり、魂の進化を助けるものだと説かれています。
現代社会では、情報過多ゆえに判断力が問われる時代です。この「サットヴァ的知性」は、まさに現代人が求めるべき資質です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での例
優先順位の判断今すべきことと、後にすべきこと、やらない方がいいことを見極められる力。
リスク管理危険の兆候に気づき、先手を打てる直観的判断力は、組織の安定を支える。
倫理的判断法令遵守・ハラスメント・データ管理など、やってよいこと/悪いことを見極める力。
自己の束縛からの自由承認欲・成功欲・過去の失敗といった精神的な「縛り」を見抜き、そこから解放される洞察力。

■心得まとめ

「何をすべきか、何をすべきでないか――知性はそこに試される」
情報に惑わされず、感情に流されず、
「いま、ここで、何が正しいのか」を判断できる心の力。
それがサットヴァに満ちた真の知性であり、
ビジネスにおいても人生においても、進むべき道を照らす灯となる。


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