目次
📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第33偈)
知慧が深く、聡明な英智に富み、
種々の道に通達し、
最高の目的を達した人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
🔍 逐語訳(意訳)
- 知慧が深く、真理を見抜く明敏な知性を持ち、
- あらゆる道(法・思想・修行法)を理解し、
- そしてそのうえで、最終目的である「解脱(ニルヴァーナ)」に達した者――
そのような人を仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。
🧘♂️ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
知慧(パンニャー) | 単なる知識ではなく、物事の本質を直観的に見抜く深い理解。 |
聡明な英智(ヴィパンニャー) | 理解力と判断力を備えた実践的知性。 |
種々の道(ナーナ・パティヴェーダ) | 世俗・宗教・精神修養などの多様な人生の道筋・修行法。 |
最高の目的(パラマッタ) | ニルヴァーナ(涅槃)、すなわち完全な心の自由・安らぎ。 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
深い知慧と明敏な洞察を持ち、
あらゆる人生の道筋に通じ、
最終的な精神の自由――
すなわち「悟り」に至った人。
その人こそ、仏陀が称える真の〈バラモン〉である。
🧭 解釈と現代的意義
この偈は、**真に尊敬される人とは、「悟った知恵を持ち、人生の道を照らす人」**であることを明らかにしています。
単なる学問やスキルではなく、それを通して「何を理解し、どこに至ったのか」が問われるのです。
現代においては、知識や経験があっても、それを他者や社会のために活かせる人、自らをも律し得る知者こそが尊敬されます。
この偈は、そうした人物像の理想像を指し示しています。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用・実践例 |
---|---|
本質を見抜く知恵 | 数字や現象だけでなく、「なぜそれが起こるか」を深く理解する力が組織を導く。 |
多様な道の理解 | 各部門・各人の立場や文化を理解し、調和をもたらすリーダーが信頼を得る。 |
目的達成力 | ただ多忙に働くだけでなく、ビジョン(目的)に向かって結果を出す姿勢が人を惹きつける。 |
自己実現と支援 | 成長だけでなく、周囲を悟らせ、導ける人が「灯」となる。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「知の深みに潜り、道を照らしてこそ、導き手たりうる」
知っているだけでは、足りない。
見抜き、通じ、至る――
そこにはじめて、人を導く資格がある。
仏陀は、あらゆる道を理解し、
最終目的に至った者を〈バラモン〉と呼ぶ。
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