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比すべき者なき、真の導き手


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📖原文(日本語訳)

「等しき者もなく、比べるべき者もない人は、誰を〔師と〕呼ぶのであろうか。自らさとりを得て、自ら教えを説く人なのであるから。如来は神々と人間との師であり、すべてを知る者(=一切智者)となって、(知慧の)力をそなえている。」

— 『ダンマパダ』第21章「如来」第2節


🔍逐語訳・用語解説

語句意味・解説
等しき者もなく、比べるべき者もない精神的完成度・智慧・徳において、対等も類比もない存在である
誰を〔師と〕呼ぶであろうか教えを受けるべき対象が存在しないという完全性の表明
自らさとりを得て、自ら教えを説く人自己の力で悟りに到達し、他者に真理を説く者(すなわち如来)
神々と人間との師全ての存在に対して、精神的指導者としての立場を持つ
一切智者(サルヴァジュニャ)あらゆる現象とその根源的法理を知る完全なる智慧者
(知慧の)力をそなえている真理を体得し、それを言語・行為・沈黙を通して示す力を備える者

🧠全体の現代語訳(まとめ)

この世に並ぶ者もおらず、比べる存在もいない者に、いったい誰が師であり得ようか。自ら真理を悟り、自らその真理を説く者、すなわち如来は、神々にとっても人々にとっても師である。彼はすべてを知る智慧を持ち、その力を完全に備えている存在である。


💡解釈と現代的意義

この章句は、仏陀の「絶対的導師」としての本質を明言するものです。「誰を師とするのか」という問いは、「もはや外に拠り所を求めない」という精神的成熟を象徴しています。

現代においても、あらゆる情報があふれ、誰を信じるべきかが問われる中で、「自己の中に確かな判断軸を持つ」ことの重要性が浮かび上がります。最も信頼すべき師は、自ら真理に到達し、それを実践している者――まさに「言葉と行動が一致した存在」こそが、真のリーダーなのです。


💼ビジネスにおける解釈と応用

視点応用例
模範的リーダーシップ地位や発言力ではなく、「自己実践によって他を導く」人物こそが真のリーダーである
比較からの自由他者との比較に煩わされず、自分自身の道を信じることで真の価値が発揮される
学びの深度他者の教えに頼るのではなく、自らの体験と内省から学び、それを伝える人になるべき
統合的な力知識だけでなく、行動力・倫理・影響力を統合して持つことで信頼を得る

🧾心得まとめ

「誰かに倣うのではなく、自らが光となる」

誰を模倣するでもなく、自ら悟り、自ら語り、自ら行う人――
それが如来であり、私たちが目指すべきリーダー像でもある。
この心得は、他者依存から脱却し、自分自身の確かな軸と智慧を育むことの大切さを私たちに教えてくれる。

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