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真の偉大さは、世界を揺るがすほどの力を内包する


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■引用原文(第11章 第20節)

アルジュナは言った:
「天地の間のこの空間は、ただあなた一人によって遍く満たされている。そして一切の方角も。
偉大な方よ、あなたのこの稀有で恐ろしい姿を見て、三界は戦慄いている。」
―『バガヴァッド・ギーター』第11章 第20節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • この天地の空間は、ただあなた一人によって満ちている。
  • 一切の方角もまた、あなたによって覆われている。
  • 偉大な御方よ、その稀有にして恐るべき御姿を見て、
  • 三界(天界・地上界・地下界)は恐れおののいています。

■用語解説

用語解説
天地の空間宇宙全体を意味し、神の存在が遍在していることを象徴。
一切の方角あらゆる方向、すなわち空間全体の支配を意味する。
稀有で恐ろしい姿神の超越的な力を象徴。慈悲だけでなく、破壊的・畏怖すべき側面をも含んでいることを示す。
三界天界(神々の世界)、人間界(現世)、地界(地下・死者の世界)の三つの存在領域。
戦慄く(おののく)畏敬と恐怖を同時に感じる心理。神の絶対的存在の前で、すべての存在が震え上がるという描写。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、神が空間の隅々まで遍在しており、全宇宙を一人で満たしていることに気づく。
その姿は畏敬の念を超えた恐怖すらも呼び起こし、三界の存在すべてを震え上がらせるほどの威厳を持つ。
神の本質は、優しさだけでなく「破壊と秩序をもたらす畏怖の力」も含んでいるという真理が、ここに示されている。


■解釈と現代的意義

この節では、「本当の偉大さ」とは、単なる好意的・慈悲的なものではなく、
力・影響・恐れさえも引き起こす圧倒的存在感を含むことが語られています。
我々もまた、真に大きな存在になるためには「尊敬」と同時に「畏怖」される一面――
つまり、軸の強さ・揺るがなさ・覚悟の深さを持たなければならないと示唆されます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーの威厳単なる優しさではなく、状況に応じて厳しさや強い判断力を見せることが、組織全体に「覚悟」を伝える。
組織文化の力組織の方針や価値観が徹底されていれば、社員・関係者に広く影響を与える「遍在性」のある文化となる。
プレゼンスの構築存在感とは声の大きさではなく、「その人がいると場が締まる」「判断が揺るがない」といった本質的な強さに由来する。
危機対応圧倒的な状況下でも動じず、存在そのものが「安定」と「方向性」を与えることが、トップに必要な資質である。

■心得まとめ

「広がりより深さ、優しさより覚悟が、人を動かす力となる」

真に偉大なリーダー・存在とは、全体を包み込む温かさだけでなく、
すべてを貫く覚悟と、状況を変える強烈な力を内に秘めている。
そのような存在は、人々の心を震わせ、時に恐れられながらも信頼される――
ビジネスにおいても、尊敬と畏怖の両輪が、真のリーダーシップをつくるのです。


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