MENU

過ちを諫める者こそ、真の友である


目次

■引用原文(日本語訳)

七*
(自分が)悪いことをしないようにさせ、罪過を指し示し過ちを告げてくれる聡明な人に会ったならば、
そのような、(自分の)過ちを制してくれる賢い人につねにつき従え。
そのような人につき従うならば、善いことがあり、悪いことは無い。
―『ダンマパダ』より


■逐語訳

  • 悪いことをしないようにさせ:誤った行為に向かわないよう導いてくれる。
  • 罪過を指し示し過ちを告げてくれる:自分でも気づかない過失を具体的に示し、忠告してくれる。
  • 聡明な人:知恵と慈悲をもって正道へ導く存在。
  • 過ちを制してくれる賢い人:叱るのではなく、正すべき方向を指し示す指導者。
  • 善いことがあり、悪いことは無い:その人に従えば、結果的に良き方向へ進み、害や災いは避けられる。

■用語解説

  • 罪過(ざいか):仏教的には道徳的な過ち、行為の誤り。単なる法的な罪ではなく、内面の迷いによる行為。
  • 聡明(そうめい):単なる知識ではなく、道理をわきまえた智慧ある人。
  • つき従う:学び、敬意をもって指導に耳を傾け、実践すること。

■全体の現代語訳(まとめ)

自分の誤りや罪をはっきりと教え、正すべきことを示してくれる賢者に出会ったならば、その人の教えに従い続けなさい。
そのような導きを受けることで、人生はより良い方向へ進み、過ちによる苦しみを避けることができる。


■解釈と現代的意義

この偈は「耳に痛い言葉こそ、宝である」という真理を説いています。
本当に自分を思ってくれる人は、甘い言葉ではなく「誤りを告げる勇気」を持っています。現代においても、率直に指摘してくれる上司・友人・顧客こそが、私たちの成長を支えてくれる存在です。
耳触りの良いアドバイスばかり求めず、信頼できる批判を大切にする姿勢が、人を高めます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
フィードバック文化厳しい意見を恐れず、真摯に受け止めることで、組織も個人も進化する。忖度なき対話の環境づくりが鍵。
リーダーシップ部下や同僚に対して「言いにくいことを言える関係性」を持つことで、真の信頼と成長が生まれる。
顧客の声の尊重クレームや指摘は「成長機会」として捉え、真の価値提供につなげる姿勢が競争優位を生む。
自己省察「叱ってくれる人を持てるか」が、成熟したビジネスパーソンの分岐点となる。

■心得まとめ

「誤りを正す声に、頭を垂れよ」
あなたを戒めてくれる人がいるか? それは叱責ではなく、光である。
耳に痛い言葉の中にこそ、未来を変える鍵がある。
――その声を遠ざけることなく、つねに傍に置くこと。
それが真の自己成長であり、信頼に値する生き方である。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次