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欲を離れ、心を清めてこそ、真の自由がある


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📖 引用原文(日本語訳)

賢者は欲楽をすてて、無一物となり、
心の汚れを去って、おのれを浄めよ。

——『ダンマパダ』第六章「賢い人」第88偈


🔍 逐語訳

  • 賢者は欲楽をすてて:賢明な者は、五欲(財・色・名誉・飲食・睡眠)などの快楽への執着を捨て。
  • 無一物となり:一切の所有や執着を持たない心境に至る。
  • 心の汚れを去って:怒り、貪欲、無知などの煩悩を取り除き。
  • おのれを浄めよ:心を清らかにし、真の自己を高めていけ。

🧾 用語解説

用語意味
欲楽(よくらく)感官的快楽。特に視・聴・嗅・味・触による享楽的な執着。
無一物所有物を持たないこと。物質的意味だけでなく、「何ものにも心を奪われない」精神的無所有。
心の汚れ嫉妬、怒り、貪欲、慢心、妄念など、心を曇らせる煩悩のこと。
おのれを浄める外的な力に頼らず、自らの努力で心を清らかにする修行的態度。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

賢者とは、世俗的な快楽への執着を捨て去り、物にも名誉にもとらわれず、心の中のあらゆる汚れ(煩悩)を取り除いて、自らの魂と心を磨き上げる者である。その浄化の果てにこそ、自由と安らぎが待っている。


🧑‍🏫 解釈と現代的意義

この偈は、「外に求める喜びから、内なる清浄へ」という精神的転換を教えています。現代社会では、成功・所有・快適さが“幸福”とされがちですが、それらが過剰になると逆に心を汚します。本当の幸福は、何も持たないときにこそ訪れるという逆説的な真理を示しているのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

テーマ解釈と応用
ミニマルな価値観多くを持つことではなく、「必要なものだけで、最大の価値を出す」姿勢が、現代の競争優位になる。
所有と支配の幻想からの脱却権限や物質の所有が幸せをもたらすとは限らない。自由は、依存の少ない生き方から生まれる。
倫理的リーダーシップ自らの欲を制し、清らかな志を持つリーダーは、組織全体の信頼を集める。
心の整備=自己メンテナンス忙しさの中でも、自分の内面(怒り・執着・不安)を丁寧に見つめ、整理し、整える習慣が、持続的成果を生む。

🧭 心得まとめ

「何も持たないとき、心はもっとも自由である」

欲や物にとらわれればとらわれるほど、心は曇っていく。清らかであろうとする人は、所有を減らし、心の汚れを一つひとつ洗い流す。そうして磨かれた自己こそが、真の力と尊厳を放つのである。

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