目次
📖 引用原文(日本語訳)
一〇
諸の聖者に見えようと願い、
正しい教えを聞くことを楽しみ、
物惜しみの汚れを去った人、
かれこそ〈信仰心ある人〉と呼ばれる。
📝 逐語訳
- 真理に生きる**聖者たち(サドゥ/リシ)**と会いたいと願い、
- **正しい教え(ダルマ・シュラヴァナ)**に耳を傾けることを喜びとし、
- **物惜しみの心(マツァリヤ/吝嗇)**を脱した者こそが、
- 真に〈**信仰を持つ人(シュラッダー・ヴァーン)〉とされる。
🧩 用語解説
- 聖者に見えようと願う:
真理を体現して生きる師(グル)や覚者(リシ)に近づき、学びたいという純粋な探求心。 - 教えを聞くことを楽しむ:
自分の価値観に迎合する話ではなく、真実の道・倫理の教えに対して喜びをもって受け入れる態度。 - もの惜しみの汚れを去る:
富や時間、知識などを「自分のもの」として抱え込まず、他者へ与える精神の清浄。 - 信仰心ある人:
単なる信念ではなく、「求め、聴き、与える」という実践を通して信仰を体現する人。
💡 全体の現代語訳(まとめ)
聖者たちと出会い、そこから真理を学びたいと願い、
教えを聞くことに喜びを感じ、
自己の所有に執着せず、惜しみなく分け与える人。
その人こそが、真の信仰者として認められる存在である。
🔍 解釈と現代的意義
この章句は、信仰が単なる「信じる」だけではなく、求め・学び・実践する姿勢であることを示しています。
- 聖者への敬慕は、学びたいという心の謙虚さ。
- 教えを楽しむことは、自己変容への意欲。
- もの惜しみを捨てることは、利他の実践。
これらを兼ね備えることが、ギーターの語る「信仰心ある人」の条件です。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
メンターへの姿勢 | 経験ある上司や先輩、尊敬できる他社人材への学びの姿勢が、キャリアを成長させる。 |
学ぶことを楽しむ | セミナーや読書、社内勉強会を「義務」でなく「喜び」として捉える姿勢が知的資本を育む。 |
惜しまず与える文化 | 自分の知識・スキル・ツールを惜しまず共有する人は、組織全体の評価と信頼を高める。 |
人格で評価される信頼者 | どのような地位にあっても、「聴く・学ぶ・与える」の姿勢が、人間的尊敬を集める。 |
✨ 心得まとめ
「求めて学び、惜しまずに与える。それが信仰のかたちである」
聖を慕い、真理に耳を傾け、与えることに喜びを見出す者こそ、
ギーターが説く「真の信仰者」である。
それは単なる信心ではなく、行動によって証明される信仰なのです。
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