目次
📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第35偈)
この世の欲望をすべて断ち切り、
出家して遍歴し、
欲望に汚されることの無い人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
🔍 逐語訳(意訳)
- この世の欲望を一切断ち切り、
- 出家して家を捨て、自由に遍歴しながら、
- 欲望の穢れに染まることがない――
そうした人を、仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。
🧘♂️ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
欲望(カーマ) | 五欲(色・声・香・味・触)を中心とする感覚的執着や所有欲。 |
断ち切る(チッタ・パハータ) | 単に我慢するのではなく、根本的な執着を滅し去ること。 |
出家(パッバッジャー) | 世俗の生活を離れて真理の探究に専念すること。比喩的には「心の離欲」も含む。 |
遍歴(チャーリ) | 一か所にとどまらず、執着なき旅を続ける修行的生き方。 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
この世のあらゆる欲望を根こそぎ断ち、
家庭や地位を離れて放浪する者――
それでも欲に染まることなく、
清らかに自由に生きるその人こそ、
仏陀の語る真の〈バラモン〉である。
🧭 解釈と現代的意義
この偈は、「外的なスタイル」ではなく、**内的な自由=欲望からの解放こそが〈真の価値〉**であると語っています。
出家や遍歴は象徴であり、
現代においては「肩書きや所有を離れ、自らの欲と向き合って克服している人」こそが、
精神的に成熟した人物であるといえます。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用・実践例 |
---|---|
物欲・名誉欲からの自由 | 成功や報酬のためではなく、本当に意味あることに従って働く姿勢。 |
柔軟性と執着のなさ | 「このポジションでなければならない」「この顧客を失えない」という執着から自由な判断ができる。 |
自己認識力 | 欲望に振り回されず、自分の欲望を客観視して制御できる人は、強いリーダーシップを持つ。 |
本質志向の経営 | 派手な拡大よりも、持続可能な価値創出に集中できる組織づくり。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「欲を絶ち、歩みを軽くする者こそ、自由人」
見せかけの放浪ではなく、
内面の欲望に勝った者が、
真に遍歴する資格を得る。
仏陀は、欲に染まらぬその自由な歩みを、
〈バラモン〉と呼ぶのです。
コメント