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決算整理前残高試算表とは?

決算整理前残高試算表とは、決算整理仕訳を反映する前の各勘定科目の残高を一覧にした表です。この試算表は、日常の取引を基に集計されたもので、決算整理前の時点での財務状況や経営成績を把握するための中間的な資料です。


決算整理前残高試算表の特徴

  1. 日常取引のみを反映
  • 決算整理仕訳(例:減価償却費や引当金の計上、未収未払の調整)はまだ含まれていない。
  1. 整合性確認の基礎
  • 帳簿記録に基づいて借方と貸方の残高を集計し、貸借一致を確認する。
  1. 決算整理の出発点
  • この試算表を基に、必要な決算整理仕訳を行い、決算整理後残高試算表を作成する。

決算整理前残高試算表の作成手順

1. 取引記録の整理

  • 日常の取引を仕訳帳や総勘定元帳に記録します。

2. 各勘定科目の集計

  • 勘定科目ごとの借方残高と貸方残高を集計します。

3. 貸借一致の確認

  • 借方合計と貸方合計が一致しているかを確認します。

4. 決算整理仕訳の準備

  • 決算整理が必要な項目(未収未払、棚卸、減価償却など)を特定します。

決算整理前残高試算表に含まれる主な項目

資産

  • 現金、預金、売掛金、未収収益、棚卸資産、固定資産など。

負債

  • 買掛金、未払費用、借入金など。

純資産

  • 資本金、利益剰余金など。

収益

  • 売上高、受取利息、その他収益。

費用

  • 仕入高、販管費(人件費、広告費など)、支払利息など。

決算整理前残高試算表の例

科目借方残高(円)貸方残高(円)
現金500,000
売掛金1,000,000
棚卸資産600,000
建物2,000,000
買掛金700,000
借入金1,000,000
資本金2,000,000
売上高3,000,000
仕入高2,200,000
販管費500,000
支払利息50,000
合計6,850,0006,850,000

決算整理前残高試算表の活用

  1. 帳簿記録の確認
  • 貸借一致していない場合、記録漏れや仕訳ミスを確認します。
  1. 決算整理仕訳の基礎
  • 決算整理が必要な勘定科目を特定します(例:減価償却費の計上や棚卸資産の調整)。
  1. 財務状況の把握
  • 決算整理前でも、企業の収益や費用の概況をつかむことが可能です。

決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の違い

項目決算整理前残高試算表決算整理後残高試算表
内容日常取引を反映した状態決算整理仕訳を反映した最終状態
目的日常記録の確認、決算整理の準備財務諸表作成の基礎
含まれる仕訳通常の仕訳のみ通常の仕訳 + 決算整理仕訳
作成後の処理決算整理仕訳を行う財務諸表(B/S、P/L)の作成

決算整理前残高試算表の注意点

  1. 貸借一致の確認
  • 借方合計と貸方合計が一致しない場合、仕訳や集計ミスの可能性を確認します。
  1. 未収未払の把握
  • 決算整理が必要な未収収益や未払費用が正確に記録されているかをチェックします。
  1. 棚卸資産の確認
  • 実地棚卸を行い、帳簿上の棚卸資産と実際の在庫数が一致しているかを確認します。
  1. 減価償却の考慮
  • 決算整理前には減価償却費が計上されていないため、固定資産の減価償却が必要です。

まとめ

決算整理前残高試算表は、日常取引を基にした勘定科目の残高を一覧化した試算表であり、決算整理仕訳を行うための出発点となります。この試算表を基にして決算整理仕訳を記録し、最終的な財務諸表作成の準備を進めます。正確な記録とチェックを行い、決算整理後残高試算表へと進めることが重要です。

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