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光ある人のもとに集え


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■引用原文(日本語訳)

二五*
よく気をつけていて、明らかな知慧あり、徳行をたもち、学ぶところ多く、しっかりしていて、敏捷な人に親しめよ。
諸の星が月にしたがうように。
――『ダンマパダ』


■逐語訳(意訳を含む)

  • 慎み深く注意深く行動し、
  • 真理を見極める知恵を持ち、
  • 道徳的な行いを守り、
  • 学識豊かで、人格的にも揺るぎなく、
  • 俊敏さと柔軟さを併せ持つような人物――
  • そうした人を敬い、親しみ、学びなさい。
  • 星が自然に月を中心にめぐるように、
  • あなたもその人のまわりに集い、導かれなさい。

■用語解説

  • 気をつけている(アッパマータ):慎重で、注意深く、常に自覚的であること。仏教における重要な修行態度。
  • 明らかな知慧(パンニャー):深い洞察力・分別力・真理に達する知性。
  • 徳行(シーラ):道徳的な生き方。戒律を守り、調和を重んじる姿勢。
  • 学ぶところ多く(バーフ・サッタ):知識が豊富で、学問に通じている。
  • しっかりしていて(ニッチャ・ダンマ):安定性、ぶれない精神性を持つ者。
  • 敏捷(スックハマ):機転・判断の早さ・柔軟な対応力を指す。

■全体の現代語訳(まとめ)

注意深く、知恵があり、品行方正で、学識に富み、意志が強く、かつ柔軟に行動できるような人――
そうした人格的にも能力的にも優れた人物を、友とし、師と仰ぎなさい。
月を中心に星々が連なるように、あなたの心も、真に光を放つ人物に従っていくべきである。


■解釈と現代的意義

この句は、「誰と関わるかが人生を決める」という教えの集大成とも言えます。
人は誰かをモデルにし、誰かから影響を受けて生きています。
だからこそ、真に学ぶべき人・従うべき人を見極め、その人のそばで生き方を学べという強いメッセージが込められています。
また、この句は「リーダー選び」「メンター選び」「パートナー選び」など、人生の重大な局面での指針にもなります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダー選び見た目や肩書ではなく、徳・知恵・行動力・謙虚さのある人物を指針とする。
人材育成自社の中でも、誠実に学び続ける人物をリーダーに据えることが組織文化を育てる。
自己成長ロールモデルを持つことで、自分の目標や倫理基準がぶれなくなる。
チーム形成「速く」「柔軟で」「道徳的」な人材と組むことで、変化に強いチームが生まれる。

■心得まとめ(感興のことば)

「星のように、月に導かれよ」
学ぶに値する人を見極めよ。
その人は、気高く、知に富み、道を守り、心を磨き続けている人だ。
あなたもまた、星が月に従うように、
その人物の徳と智慧に、自然に引き寄せられ、導かれよ。
光ある人に近づけば、自らもまた光を放つようになる。


この句は、第二五章「友」の締めくくりにふさわしい**「理想の交友関係」「師資関係」「人格形成の原点」**を示す珠玉の言葉です。
「交わる人を選べ」「その人の徳を見よ」という流れを貫く章のまとめとして、講話・研修・教育資料にも非常に適しています。

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