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結果を捨てて行えば、心は静まり自由になる


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■引用原文(日本語訳)

〔行為のヨーガに〕専心した者は、行為の結果を捨て、窮極の寂静に達する。専心しない者は、欲望のままに、結果に執着して束縛される。
(第5章 第12節)


■逐語訳

行為のヨーガに専念する者は、行為の結果を放棄することによって、最終的な平安(寂静)に至る。
一方、ヨーガに専心しない者は、欲望に従い、結果に執着するために、行為の束縛を受ける。


■用語解説

  • 行為のヨーガ(カルマ・ヨーガ):結果への執着を持たず、義務として行為する精神的実践。
  • 結果を捨てる(放棄):行為の成果・報酬・他者の評価などに執着せずに行動すること。
  • 寂静(シャーンティ):心の究極的な静けさ、平穏、内なる平和。
  • 束縛(バンダ):執着や欲望によって心が不自由になること。
  • 欲望のままに:自己中心的動機によって行為をなす姿勢。

■全体の現代語訳(まとめ)

行為のヨーガに専心し、結果に執着せずに行動する人は、やがて深い心の平穏に至る。反対に、欲望に動かされ、結果に執着して行動する人は、かえって行為に縛られ、心の自由を失ってしまう。


■解釈と現代的意義

この節は、「行為そのものよりも、行為に対する姿勢こそが人生の質を決める」と語ります。
「どんなに立派なことをしていても、結果への執着があれば心は不安定になる。一方で、どんなに小さな行為であっても、それを無執着で行えば心は自由になる」という逆説的な真理が示されています。

成果主義の現代社会では、結果への期待・評価・不安がストレスを生みますが、ギーターは「行為に全力を尽くし、結果は委ねる」ことで、真の平穏が得られると説きます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
仕事の成果との向き合い方結果に一喜一憂せず、今この瞬間にできる最善の行為に集中する姿勢が、持続的成果を生む。
ストレスマネジメント評価や報酬を目的とするのではなく、「行為そのものを整える」ことに重心を置くことで、心の安定が得られる。
リーダーシップメンバーの結果ではなく、努力とプロセスを尊重する文化をつくることが、組織全体の安心感を高める。
持続可能な働き方成果のプレッシャーに潰れないためには、日々の働きに没頭し、結果は「出たもの」として受け止める訓練が必要。

■心得まとめ

「執着を捨ててこそ、最高の成果と平穏が訪れる」
本当の自由と静けさは、「結果を手に入れたとき」ではなく、「結果にとらわれなくなったとき」に訪れます。行為に集中し、結果を手放すこと――それが、ビジネスにおいても人生においても、最も力強く、そして安定した在り方です。

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