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意志・知恵・情愛、三つの力を調和せよ

人は何をもって立つか。
それは、意志の強さにある。
どのような困難にもくじけず、
自らの志を貫こうとする力。
これなくして、大事は成らぬ。

しかし、意志のみでは独断に陥る。
熱情が空回りし、判断を誤る。
ゆえに、そこには聡明なる知恵が要る。
冷静に物を見て、道理にかなった道を見極める力。
これが意志を正しい方向へと導く。

だが、意志と知恵だけでも、
人を動かし、世を変えることはできぬ。
そこに情愛が加わって、はじめて人の心に響く。
他人の立場を思いやり、
痛みを共有し、共に進もうとする柔らかさ。
それが、冷たき知と鋭き意志を、あたたかく調和させる。

意志・知恵・情愛。
この三者をバラバラにせず、適度に調合し、
ひとつの調和体として育てていくこと。

そこにこそ、真の意味での常識が生まれる。

常識とは、ただ世間の風に従うことではない。
それは、人間としての完成に至る道である。

○意志の鞏固なるが上に聡明なる智恵を加味し、これを調節するに情愛をもってし、この三者を適度に調合したものを大きく発達せしめて行ったのが、初めて完全なる常識となるのである。

論語と算盤

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