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心を定め、戦場に立て――念いは力となり、行動を導く


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「それ故、あらゆる時に私を念ぜよ。そして戦え。私に意と知性を委ねれば、疑いなく、まさに私のもとに来るであろう。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第7節


■逐語訳

「だから常に私(クリシュナ)を念じなさい。そして戦いに赴きなさい。
もし意志と知性を私に委ねるならば、疑いなくあなたは私のもとに到達するであろう。」


■用語解説

  • あらゆる時に私を念ぜよ(マーム・アヌスマラ)
     常に神(至高の存在)に心を向け、意識の中心に据えること。日常生活の中でも霊的意識を忘れないこと。
  • 戦え(ユッジャ)
     逃げずに、定められた義務・使命を果たすこと。ここでは「アルジュナが戦場で戦うこと」を指すが、比喩的に「人生の責任を果たせ」という意味でもある。
  • 意と知性(マナスとブッディ)
     心の働き全般(意志・欲望・感情)と、理性的判断(知性)。その両方を神に委ねることで、迷いと執着から解放される。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、アルジュナにこう教える――
常に神を念じつつ、目の前の戦い(人生の義務)を果たせ。
心と思考を神に委ねて行動すれば、最終的に神のもとに到達できると。
つまり、「念じながら行う」こと、「信仰と実践の一致」が、最高の道である。


■解釈と現代的意義

この節は、精神的集中(念)と現実的行動(戦い)の両立を説いている。
「祈るだけ」でも、「行動するだけ」でも不十分で、
心を高い目的に置きながら、目の前の責務に立ち向かうことが真のヨーガであるという教えである。

これは、瞑想者だけでなく、働くすべての人に向けられた実践的な智慧である。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
信念と行動の統合志(理念)を心に据え、それを日々の行動に落とし込んでこそ、使命は現実化する。
困難への対処厳しい状況でも「信じる対象」や「より高い目的」があれば、迷いなく戦うことができる。
マインドセットの切り替え不安や葛藤があっても、判断と行動を“信頼する原理”にゆだねることで、冷静さと一貫性が保たれる。

■心得まとめ

「念じて戦え。心を高く、足を地につけて進め。」

バガヴァッド・ギーターのこの教えは、「精神性と実践性の融合」を意味する。
ただ神を思うだけでもなく、ただ働くだけでもない。
理想を胸に、現実に立ち向かう――その姿勢が、人生を神聖な道に変える。
ビジネスにおいても、理念と行動が一致したとき、人は最も力強く、誤ることなく前に進めるのである。

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