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独りでも、正しく歩む者であれ


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📜 引用原文

第一四章 憎しみ 一四
「しかし、もしもつねに正しくこの世を歩んでゆくときに、
明敏な同伴者を得ることができなかったならば、
(戦いに負けて)広大な国を捨てた国王のように、
唯だひとりで歩め。悪いことをしてはならぬ。」
— 『ダンマパダ』


🔍 逐語訳

仮に、あなたが正しい道を歩もうとする中で、
聡明で信頼できる同伴者に恵まれなかったとしても、
戦に敗れて国を離れた王のように、
ただ一人で歩み続けよ。
たとえ孤独でも、悪しき行いに染まるな。


🧩 用語解説

  • 明敏な同伴者:前節と同様、洞察ある理解者・仲間・精神的支援者。
  • 広大な国を捨てた国王:大きなものを捨ててでも、正しい決断を取る孤高の象徴。執着の放棄。
  • ひとりで歩め:他者に頼らず、自立して徳をもって生きよ、という決意。
  • 悪いことをしてはならぬ:孤独や苦境に陥っても、道徳を曲げるなという強い倫理的命令。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

もし、正しい道を歩もうとする中で、
知恵ある良き仲間を得ることができなかったとしても、
それでも諦めるな。
たとえ国を捨てて一人となった王のようにでも、
ただ一人で、自らの信ずる正義と共に歩み続けよ。
そして、どんな状況でも、悪しき行いに堕ちてはならない。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、**「仲間がいなければ道を捨てるのか?」**という問いに対する答えです。

理想の仲間と歩めれば幸いですが、
得られなかったとき――それでも道を歩み続ける覚悟を問われるのです。

孤独はつらい。しかし、仲間がいないことよりも、自らを失うことの方が大きな損失
仏陀は、たとえ一人でも、正道を貫く生き方こそが真の価値であると説いています。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での活用例
信念を貫く姿勢周囲が反対しても、正しいと思う提案や行動を守り抜くことが長期的に信頼を得る。
孤独なリーダーシップ真に困難な局面では、共感者がいない中でも意思決定をせねばならない場面がある。その時こそ人格が試される。
倫理観の維持目標達成のために不正や妥協に走らないこと。孤立してでも「悪いことをしない」判断が未来の成果を生む。
自立したキャリア形成仲間や支援が得られない状況でも、学びを止めず、成長を続ける人はやがて他者から頼られる存在になる。

🧭 心得まとめ

「たとえ一人でも、真理を裏切るな」
「群れることより、正しくあることを選べ」

この句は、正道とは、仲間と歩めば喜びが増し、
独りで歩めば覚悟が磨かれる道である
と教えています。

「誰もわかってくれない」「孤独だ」と感じる瞬間こそ、
その人の内面が最も強くなるチャンスです。

悪に流されず、真を見失わない者こそが、
後に道を照らす者となる
――それがこの教えの本質です。

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