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真理から逸れし者、道徳をも失う


目次

📖 引用原文(日本語訳)

第九章 行ない一
「唯一なることわりを逸脱し、偽りを語り、彼岸の世界を拒んでいる人は、どんな悪でもなさないものは無い。」
―『バガヴァッド・ギーター』第9章 該当節(※章句番号不明のため「行ない一」と仮称)


🔍 逐語訳(意訳に近い形式)

「真理は一つであるにもかかわらず、それから外れ、嘘を語り、精神的な世界や永遠の価値を否定する者は、
どのような悪行をも犯さないとは言い切れない。むしろ、どんな悪にも手を染める危険がある。」


🧘 用語解説

  • 唯一なることわり(エーカ・ダルマ)
    万物に通底する究極的な真理。宇宙の法則・神の意志とも呼ばれる根本原理。
  • 偽り(ミトヤーチャーラ)
    心と言葉と行動が一致しないこと。表面的な正しさや体裁の裏に虚偽が潜むこと。
  • 彼岸の世界(パーラ・ローカ)
    この世を超えた精神的世界。霊的理想、輪廻からの解脱、永遠の魂の存在など。
  • 悪をなさないものは無い(ナ・キンチット・アパーラム)
    道徳や規範の制御が利かなくなり、いかなる非道にも歯止めがきかない状態。

🪷 全体の現代語訳(まとめ)

人は、自分の内にある「ただ一つの真理」から目を背けるとき、
やがて何が正しくて何が誤っているかさえ見失っていく。
もしそれに加えて、偽りを語り、精神的な価値や神聖な世界の存在を否定するならば、
その人は道徳的な抑制を完全に失い、どんな悪でも犯してしまうようになる――
この節は、霊的真理を軽んじることの深い危険性を、静かに、しかし強く告げている。


🏛 解釈と現代的意義

この章句は、現代社会における「価値観の空洞化」に対する警鐘と捉えることができます。
一見、合理的で現実的な判断を重視する現代人は、霊性や倫理の深層にある「普遍的真理」を無視しがちです。
しかし、そのような姿勢は、最終的に自他の尊厳を軽んじ、嘘や欺き、倫理の崩壊へとつながっていきます。
真理を拠り所としない知性や力は、破壊的な力に転化しうる――それがこの章句の本質です。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実践的応用
理念なき行動ビジョンや価値観を失った企業行動は、利益のためなら何でもするという暴走につながる。
誠実性の喪失自己都合の嘘や、目先の利益を優先した行為は、信頼・社会的信用を失い、組織の土台を崩壊させる。
長期的視野の欠如「今だけ」「自分だけ」といった利己的な態度は、持続可能性を損ね、最終的には破滅を招く。
精神性の軽視いかに戦略的でも、倫理・哲学・人間性がなければ、その事業やリーダーは尊敬されない。

🧭 心得まとめ

「真理を捨てたとき、人は悪を選び取るようになる」

一時の利得や理屈ではなく、
**「これは正しいことか」**という問いを、常に心に持ち続けること――。
それが、誠実な道を歩むための唯一の光となる。
真理・誠・精神性を忘れた行動は、
どれほど華やかに見えても、
やがては自他を傷つけ、堕落の道へと向かうのです。


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