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静かに満ち足り、決意と愛をもって生きる者は、尊い

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■引用原文(日本語訳)

「常に満足し、自己を制御し、決意も堅く、私に意と知性を捧げ、私を信愛するヨーギン、彼は私にとって愛しい。」
(『バガヴァッド・ギーター』第12章 第14節)

■逐語訳

常に満足しており(サントゥシュタ・サタタム)、
自己をよく制御し(ユクタ・アートマー)、
決意が揺るがず(ドゥルニシュチャヤハ)、
その心と知性を私に捧げ(マイイ・アルパニ・マナ・ブッディ)、
そして私を深く信愛する(マド・バクタ)、
そのような修行者(ヨーギー)は、
私(神)にとって愛しい存在である。

■用語解説

  • 常に満足(サントゥシュタ):状況に不平を言わず、今あるものに感謝し、心が穏やかな状態。
  • 自己を制御する(ユクタ・アートマー):感情・欲望・思考をコントロールし、ぶれない心を保つこと。
  • 決意が堅い(ドゥルニシュチャヤ):一度決めた信念や目標に揺らがない姿勢。
  • 意と知性を捧げる(マナ・ブッディ・アルパナ):感情も理性も神(あるいは理想)にゆだね、奉仕すること。
  • 信愛する(バクタ):対象(神や理念)に深く心を寄せて、誠実に仕える者。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、次のような人物を「私にとって愛しい存在」と明言する。
状況に満足し、自己を律し、ぶれない決意を持ち、感情も知性も神(理想)に捧げ、ひたむきに愛と忠誠を尽くす修行者――それが理想の信仰者の姿である。

■解釈と現代的意義

この節では、信仰と人格の完成された統合が語られています。
「満足・自己制御・決意・一途な集中・愛」――これらの資質を備えた人は、宗教的でなくても、**精神的に完成された“徳のある人”**とみなされる存在です。

現代では、こうした人は“芯のある人”“信頼される人”“揺るがぬ人”として、高い影響力を持ちます。
ギーターは、外的な力よりも、内面の整い・愛と意志の融合こそが、人間として最も尊ばれる資質であると教えてくれます。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
自己管理力感情や反応に流されず、自分の行動・思考を律することで安定感あるリーダーシップが生まれる。
ブレない意志時流や周囲の意見に振り回されず、使命や目標に向けて粘り強く進むことが信頼と実績を築く。
使命へのコミットメント頭(知性)と心(情熱)をともに目的に捧げている人は、継続的に高い成果と感動を生む。
マインドセット外的報酬や変化に依存せず、内側からの満足・感謝を持って働く人は、持続的に強い。

■心得まとめ

「静かな満足とゆるがぬ決意が、人を偉大にする」
心の中に満足があり、外の状況に左右されず、深い意志と集中力を持って理想に仕える――
そのような人は、どんな時代・どんな組織においても、最も信頼され、最も尊ばれる存在である。
ギーターが示す「愛される人間」とは、力ある者ではなく、愛と制御、そして一貫した生き方を体現する者なのです。

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