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正しく生き、語り、識る者が高貴である


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第13偈)

悪しき行いを除き、
心に曲がりがなく、
穢れがなく、
自己を確立し、
ヴェーダの奥義に通じ、
行いは清らかであり、
必要なときにブラフマン(梵)の教えについて語る――
このような者こそ、真にバラモンである。


🔍 逐語訳(意訳)

悪を捨て去り、
心が正直で、邪(よこしま)な動機を持たず、
内面に穢れがなく、
自己が確立されていて、
聖典(ヴェーダ)の奥義を深く理解し、
その行いは清く、
必要なときには、静かにブラフマン(宇宙の根本原理)について語る――
こうした者こそが、真のバラモンとされる。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 悪いことがら(パーパカ・ダンマ):身体・言語・意志における不善な行為全般。
  • 邪曲(クッタ・チャッタ):ひねくれた心、自己中心的な詭弁。
  • 穢濁(マラ):煩悩や心の汚れのこと。
  • 自己が確立している(アッタニヨー):自律し、動じず、内的な軸を持つ状態。
  • ヴェーダの奥義(ヴェーダンタ):伝統的にはヴェーダの最終部分(ウパニシャッド)を意味し、究極的真理への洞察。
  • ブラフマン:インド思想における宇宙の根本原理。「真我(アートマン)」と一体とされる。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

悪を行わず、ひねくれず、心に濁りがなく、
自己がしっかりと確立され、
深い真理を理解し、
日々の行動も清らかであり、
必要なときに、真理(ブラフマン)について語る――
このような人こそ、名ばかりではない「バラモン」、すなわち完成された人間像とされるのである。


🧭 解釈と現代的意義

この偈では、「行い」「心の在り方」「学識」「語りの慎み」までが統合された理想的人格が描かれます。
仏教ではヴェーダを最終的には超える対象とするものの、ここでは本当に真理を理解した知者こそが清らかであると認めています。
つまり、学びと実践が一致し、不要なときに語らず、必要なときには静かに語る人――それが尊敬される人なのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
内外一致のリーダーシップ知識・肩書きだけでなく、人格的清らかさと実践がともなう人こそ、真の信頼を得る。
不要な議論を避ける慎み問題の本質を理解せずに話しすぎるより、必要なときに的確な知を提供する人が評価される。
自律した人材の価値自らの判断軸を持ち、惑わされずに行動できる人が、混乱時にも頼られる。
誠実な専門性の表現専門知識を「見せびらかす」のではなく、「必要なときに誠実に共有する」ことで、信頼される専門家になる。

💡 感興のことば:心得まとめ

「深く識り、静かに語り、正しく行う者が、真に高貴である」

誠実な行動と、ひねりのない心。
深い知識と、それを語る節度。
仏陀は、これらすべてを備えた人物こそが「尊敬される存在」だと説く。
本質を生きる人にだけ、本当の意味での“名”が与えられる。

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