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快に流される者は、志ある者に憧れる


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📖 引用原文

つねに道に違うたことになじみ、道に順ったことにいそしまず、目的を捨てて、快いことだけを取る人は、みずからの目的につとめる者を憧れるに至るであろう。
——『ダンマパダ(法句経)』第5章 第九句


🧩 逐語訳

  • つねに道に違うたことになじみ、
     正しい道から外れた行い(放逸・怠惰・欲望)を日常としている者は、
  • 道に順ったことにいそしまず、
     正道(修行・精進・倫理)を怠り、関心を持たない。
  • 目的を捨てて、快いことだけを取る人は、
     自己の目標や志を捨て、目先の快楽や心地よさだけを追う者は、
  • みずからの目的につとめる者を憧れるに至るであろう。
     やがて、真剣に自分の志を貫く者を見て、その生き方に羨望を覚えるようになる。

🔍 用語解説

用語解説
道(ダルマ)仏教の真理・倫理・修行の道。自分を律し、智慧を育む人生の本道。
なじむ習慣的に身につけていること、慣れ親しむこと。
快いこと欲望を満たす娯楽・安易な選択・楽な道など、短期的な満足を指す。
目的精神的目標、人生の指針、成すべき使命。
憧れる自分に無いものを持つ他者への尊敬と羨望の感情。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

いつも正しい道を外れて怠惰や快楽に流され、
真面目な努力や精神的目標に向き合おうとしない人は、
いずれ、自らの信念に従って地道に努力する他者の姿に憧れを抱くようになる。
つまり、志を捨てた者が、志を貫く者に魅了されるのは必然であるという警句である。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、**「安きに流れることの空しさ」と「志を持つ生き方の尊さ」を対比させながら、私たちに自戒を促しています。
現代では、SNS・娯楽・便利な生活が「快いこと」として満ちており、「目的に生きる」ことがますます困難になっています。
その中で、地道に努力する人、信念を持って行動する人は少数派でありながら、
多くの人が心のどこかでそうした人に
「本物の生き方」**として惹かれているのではないでしょうか。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
キャリア形成安易な昇進・転職や人気に流されるよりも、自らの理念・専門性を大切にする人が、長期的には信頼を得る。
リーダーシップ目先の利益ではなく「組織の使命」や「ビジョン」に忠実なリーダーは、周囲から自然と尊敬される存在となる。
働く姿勢面倒なこと・困難なことを避けていても、後からそれに立ち向かう仲間の姿に憧れ、自己嫌悪に陥ることもある。
組織文化苦労せず成果だけを求める空気ではなく、「努力する姿勢が尊ばれる文化」が組織の健全性を支える。

🧭 心得まとめ

「快楽に流される者は、やがて志ある者を羨む。ならば今、己の道を選べ」

安きに流れるのは簡単です。
しかしその先には、空虚と後悔が待っている。
一方で、困難の中にも志を持って生きる者は、
やがて周囲から憧れの眼差しで見られるようになります。
尊敬される人生とは、楽な人生ではなく、目的に忠実な人生です。
今この瞬間、「快」か「道」か――どちらを選ぶかが、未来を決定するのです。


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